Chapter3 被害状況と復興
商業施設ごとに見る被害状況
商店街
商業施設の状況確認などで宮城県沿岸部のあちこちを行ったり来たりしていたこともあり、それぞれの商業地域や街の様子についても状況を確認していた。2年経っても、まだまだ「復興」を口にできるほど状況が落ち着いていないのはもちろん、生活区域として機能しているとも言いがたいような状況。「新たな街づくり」や「再開発」という視点からも、商店街の被災状況や復旧の進行具合に注視したい。
意見がまとまらず進まぬ『まちづくり計画』。やっと始まった嵩上げ工事は1年から4年先の完成予定である。その後にスタートする商店街の工事。現地では復興として目に見える建物は何もない。
個店
先の見えぬ再開に、気持ちを喪失していくようだ。世代交代を目の前にした個店の前進と後退。時間経過と共に消費者の記憶から薄れていく専門店。顧客は復旧復興が進む大型商業施設の専門店に流れ完結してしまう。再開したいと願う店主の思いと今までの経験は、時代の変化や進化した商業施設には追いつけない。現状意識と時代に即した新しいことを始めなければ真の復興といえない。ここに再開を支援する商業施設の専門技術者が必要である。