【前回の記事を読む】「買い物には便利だが観光民宿として生きていくには橋はいらない」――被災地各所では復興と開発の狭間でもがく人たちがいた

Chapter3 被害状況と復興

地域ごとに見る被害状況

【2015年8月記述より】

南三陸町(志津川地区)、マスコミでも多く取り上げた鉄骨むきだしの防災センターが印象的だ。

瓦礫の片付いた跡地にある仮設店舗「南三陸さんさん商店街」と 1960年に高さ6.4mのチリ地震津波が押し寄せた記憶を残す「モアイ像」が訪問者を迎える。今回は15.9mの津波が町を襲った。

現在、嵩上げ10.6mの土木事業が進んでいる。この事業を理解していただけるようにと「復興まちづくり情報交流館」が設置されていた。「町づくりはスタートしましたが心のケアーはまだまだ必要です。

工事を早く進めたいが、このような心情を汲み取ると時間の掛かる難しい工事です」と話された復興機関の現地関係者の言葉が印象的であった。2018年度に嵩上げ完成を目指している。多くのマスコミが「南三陸さんさん商店街」を発信してくれたお陰で賑わいのある仮設商店街である。

本設商店街の計画は始まったばかり。復興はまだまだこれからである。

2014年11月:防災センター・T.P.12m嵩上げ方向を望む
2014年11月:南三陸さんさん商店街(仮設商店街)。マスコミが多く取り上げた