仙台虚空蔵山大満寺縁起
仙台藩政の時代から一九六段ある石階段とともに朝夕五時の梵鐘とともに親しまれ、仙台市民には丑寅守護として四百年以上もの間、卦体神 (けたいがみ)信仰(十二支の守り本尊を信仰する習慣)の中心地として篤(あつ)い信仰とともに大きな拠りどころとなっています。
十二支霊場としては昭和五十五年、虚空蔵尊境内地に十二支守本尊 (まもりほんぞん)、八角堂奉安殿 (はっかくどうほうあんでん)が建立されました。私たちは生まれ年により必ずいずれかの干支に属しております。
そしてその信仰心により各々の守り本尊の御守護をいただくことは東洋人の精神文化を語る上で外すことのできないものであり、日本人の精神文化の古里 (ふるさと)とも言えるものであります。
菩提寺に参詣し自らの守り本尊に帰依することにより、私たちの生活は信仰心によって正しい歩みへと導かれ、豊かな人生になっていくものであります。
虚空蔵山大満寺の歴史を紐解きますと平安時代末期に奥州藤原氏の創建でその歴史が始まりました。真言宗の寺院として開創されたと伝わっております。西暦で申しますと1159年、平治元年頃から続く古刹であります。現在、開創八百六十年余りでございます。
あと百四十年ほどで開創千年を迎えることになります。その創建された時代がどんな時代かと申しますと、平安時代末期、まさに令和四年放送NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年1月9日~12月18日放送)の時代でございました。
もともと虚空蔵大菩薩、大満寺は青葉山(現在の青葉城址)に創建されました。虚空蔵館に千躰 (せんたい)の仏さまが祀られておりましたので当時、虚空蔵尊は千躰城(せんたいじょう)と呼ばれておりました。
その後、奥州藤原氏が源頼朝公に滅ぼされてからは、無住の状態となりますが、享徳元年(1452年)、洞雲寺(仙台市泉区)十一世實底祥秀 (じつていしょうしゅう) 大和尚が御開山となり真言宗から曹洞宗の寺院としての礎が築かれました。