この本を書いている時点で稼働22年ほどになるのですが,いまだに回収できていません。これは,事前に分かっていたことなので納得の上です。ここでもいかに調査研究などの専門性が重要なのかを再認識しました。

では,最終的にどのメーカーにしたのか,それは「三洋電機:HIT〔ヘテロ結合型〕」アモルファス(非結晶)と単結晶のシリコン型太陽電池で,製造コストは高まる半面,相対的な発電効率が高く,温度上昇しても発電量の低下が少ない効率の非常に良い電池でした。

当時1枚当たり,180Wで,小さい屋根に20枚搭載できるので,3.6Kw分搭載できました。この三洋電機HITの性能は非常によく,論文などにもまとめました。

のちに,三洋電機は,パナソニックの子会社となりました。パナソニックブランドで, HITは引き継がれましたが,2020年頃製造中止に追い込まれ,パナソニックは太陽光発電より撤退しました。

パワーコンディショナーは,三洋電機製ですが,内部の基本ユニットは「オムロン」です。22年間ノンエラーで順調に稼働していましたが,ついに,2023年1月に,対応のパナソニックのパワーコンディショナーに交換しました。発電効率もそれほど落ちておらず,20年以上前の性能を保っています。

一度データ分析し,記事や論文化できたらと思っています。2000年当時,日本最高の技術であった三洋電機をはじめとした日本メーカーの太陽光発電が縮小し,三洋電機ブランドのHITがなくなったことが非常に残念です。

屋根瓦への設置の方法も当時は,瓦に穴をあけていたのですが,当研究所では,当時開発されたばかりの「引っ掛け工法」により安定した設置になっています。設置業者もなく大変でした。

必死で探し,地元が良いということで,土岐市のサカエ家電(トータルシステム㈱)に設置していただきました。売電契約や補助金申請,発電量報告など非常に大変でした。それと比べてみれば,今は非常に楽だと思います。