米原ルートと若狭ルートでバラバラになっていた北陸三県議会を一本化する必要があったのだ。

悩んだ末に、野中は既に昵懇(じっこん)の仲になっていた富山と石川の議長をホームグランドの茜屋に招いて、「腹を割って話そう」と投げ掛けた。

「如何に米原の方が早く安く完成しても、北陸は関西とのパイプなくしては経済効果を得られないし、日本のためにも東海道新幹線の代替路線が不可欠で、それは高架の北陸新幹線の他にない。そのためには米原ではなく大阪につなげなければ子孫に大きな禍根を残す!」

一晩中懇々と議長の二人を説得すると、漸く二人の理解を得られたのだった。

その後、議長二人はそれぞれの議会を説得し、北陸三県議会は若狭ルートで一本化することに成功した。

これにより、福井県全体の均衡ある発展と、将来の関東関西両方からの観光誘客増も同時に約束された。

「女将の酒」という新たな名物を生む裏側で、あわら温泉へ人々を呼び寄せるべく、多方面で人々が奔走している。あわらの未来に光が差し込んでいた。

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次回更新は9月14日(土)、18時の予定です。

 

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