一方,再生可能エネルギーは,消費後も再度エネルギーを作り出すことができるという考えで,化石資源を除く生物由来の有機性資源利用のエネルギーも含まれます。つまり,自然エネルギーに加え,「バイオマス」「温度差」「濃度差」「大規模水力」などのエネルギーも含まれます。

自然エネルギーは再生可能エネルギーの一種で自然現象に限らず「使ってもまた資源が補充される」エネルギーなのです。

ここでは,恵那エネルギー環境研究所の自然エネルギー施設をどのような思いや経緯,手順でつくってきたかということについて書きたいと思います。そして,研究施設の理工学的なシステムの機能やどのように研究に生かしてきたかなどについて,今後つなげていきたいと思います。

1  自然エネルギー研究施設,最初の太陽光発電システム設置

自然エネルギーの研究をするためには,自然エネルギーの施設が必要です。自然エネルギーの研究所の施設としては,どんなものを作る必要があるのか? 私設研究所ということであればどのようなものが設置可能なのか?など具体的なことを検討しました。

まず最初に目をつけたのが,「太陽光発電」です。太陽電池は,小学校の理科の授業で取り扱いますし,一般的に認知されていた電池です。歴史をたどりますと1839年に発見された「光起電力効果」(アレクサンドル・エドモン・ベクレル[フランス]が金属板に光を当てると電位の差ができ,電気が発生する仕組みを発見したことによる)が最初とされています。

その後,太陽電池の実用化としては,アメリカの人工衛星「ヴァンガード1号」1958年が最初とされています。そのころの人工衛星の写真や絵をみますと,確かに太陽電池が大きく写っています。

さらに,日本においては「サンシャイン計画」(1973年)において,新エネルギーとして注目されました。住宅用太陽電池は,1993年頃が最初で,1994年頃から太陽光発電導入に関する補助金制度が開始されたのです。