読後感――読書から学ぶ感性
「私の後始末」
そして私にとって嬉しいもう一つの発見がありました。
それは「ブラシの木」なるものの名称です。
先日来、妻と熊野古道歩きの際、この花木の名前が分からず気になっていたのです。
やっと分かりました。「歩き」の途中、ある民家の軒先にこの花木を発見。わざわざ「金宝樹」と木札がたててありました。「あな嬉しや、やっと分かった」。歳のせいもあってかこだわりになっていました。
恐らく通りがかりの人が気になって、この珍しい花の名前を聞く人が多いのではないかと思いました。見慣れれば結構あちこちで見かけるのですが、私のようにまだ知らない人が多いのです。
ネットで調べてみると、確かに「マキバブラシノキ」とあります。花の形が、意外にも何か牛乳瓶でも洗えそうなブラシに似ています。(Callistemon speciosus 英語でBottle Brush)
「あすかの湯」なる橿原の炭酸泉の湯に浸りつつ、本日も目出度くも「ささやかな発見」に一人ニタリと得意顔。側の人はきっと「ニヤケテイル」と思ったことでしょう。
お湯で疲れを癒すのは、私の数少ない楽しみの一つ。まさに単純泉のような単純人生です。湯の質がいいかはその日の成果にもより日々変わるのです。
あっ、また一つ思い出したことがあります。社会福祉学理論の開拓者の一人が、晩年学会に出た後、北海道のあるところを一緒に散策していて、「おぎのさーん、私はこれといって趣味がなく、理論をこねているか、こうして街などを見て歩くしか能のない人間、これって世間様からも見ておかしいのかね……」と。
「いやいや普通ですよ」と私はこころでツブヤイテいました。
それにしても人間、「孤独との闘い」はいろいろあります。
人生いろいろ、会社もいろいろ、日々の歩きもいろいろです。
記忘庵日誌 2007・6・7