【前回の記事を読む】過疎化した地を行く。1戸、1戸が谷にへばり付くように生活の様子を留めてはいるが、ブータンやヒマラヤの奥地住民にも劣らない風情。

旅物語――旅に学ぶ (国内編)

小さな旅―② チャレンジ道路

3 孤独へのチャレンジ

都会生活などで孤独をかこっていると感じている人たち。また利便性の高い生ぬるい生活に浸っている人よ。そして自分の甘えを克服しがたく日常に流されていると思う人は、一度こうした孤独な道をたどってみると良い。何よりのカンフル剤となります。

心の奥底から我が身を奮い立たせてくれるでしょう。

普通の運転なら2時間余で十津川の入り口の谷筋までたどり着くところを、道草しながら4時間以上かけて走りました。この間なんと車一台とも、人一人ともすれ違わなかったです。

5月の早朝とはいえ県道でしかもそれなりに整備されている道、こんなに寂しい心細い思いをしたのは久しぶりでした。

深く谷は抉(えぐ)れ、ところどころの落石、霧は周りをたちまち暗くする。孤独な一瞬。

少しやっかいですが、「孤独」か「孤立」か、人間が一人になるとはどういう存在価値があるのかを考えさせられる瞬間でもありました。このルートは全国でも稀な、まさに「便利の象徴である車」での散歩道、ドライブ道なのです。

時々空き地に車を止めて思い切り空気を吸い雑念を払いましょう。

記忘庵日誌 2015・5・16