ここにも5 の 3 ・ 2 分割を認め得る。

Ⅶ 7の2・5分割、2・1・4分割 Ⅶ− 1  Ⅴ− 1 で触れた神世7代は、獨り神2柱と対神5組からなるので、ここに7の 2 ・ 5 分割がある。

Ⅶ― 2 Ⅴ― 2で述べたように、ミホト・ホトの音仮名表記7例はミホト2例、ホト5例であるので、ここに7の 2 ・ 5 分割がある。またホトは番登1例、冨登4例であるので、7は更に 2 ・ 1 ・ 4 に分割されている。

Ⅶ― 3 Ⅴ― 3 で見た歌謡以外における甲類ソ音の音仮名の蘓7例は他の音仮名によって、連続4例、2例、1例に分割されている。2例から順に数えれば、これも7の 2 ・ 1 ・ 4 分割である。

Ⅶ― 4  一文字に対する音読注が全7例あり、うち2例は〈此の一字、音を以ゐよ〉と、字数を示すだけであるが、残りの5例は音読するべき文字□を繰り返して〈□字、音を以ゐよ〉と指示する。故にここにも7の 2 ・ 5 分割がある。

以上ⅠからⅦまでの数合わせには、ある共通した意図が秘められている。これらの数合わせが意図的になされたとすると、そのことから古事記の成り立ちに関する、特別な事実を読み取ることができる。

まずⅠからⅦまでを詳しく見てみたいが、古事記の引用に当たっては、本文とその索引として、高木市之助・富山民藏編『古事記總索引』(平凡社 1974年)を利用する。当書はコンパクトな全語彙・全漢字・全音仮名の索引を備えており、

座右に置いて全語句を索引するのに便利である。ただし、本文の校訂に不足があり、何か所かの脱漏もあるので、校訂の補充とこれに伴う索引の修正を加えながら用いる必要がある。以後この書を「平古」と略称する。

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