そうは言っても、先ずはビールで喉を潤した後は、小笠原産の「緑」のレモンである「島レモン」の採れる時期であれば、その採れたて汁を少々垂らした風味豊かな焼酎の水割りとなります。それはそれは絶品です。美味しいの一言に尽きます。
申し訳ありませんが、黄色のレモン味とは較べものになりません。なお、橙(だいだい)も風味付けに好んで使われています。
こうした小笠原という気候風土もあって、日本酒はそれ程飲まれていません。一般的な二年なり三年の赴任期間、味を忘れてしまう人もいるのではないでしょうか。
今回、七月人事で赴任してきた新課長の土産持ちを頂いたくらいで、日本酒はお店の棚には並んではいるのですが「自ら買ってまでして飲もうという気にはなりません……」と、言い切ったりすると島の方、また、酒屋さんからお叱りを受けることになりますので、少々、日本酒のPRもしておかねばなりません。しっかり冷えた日本酒は、格別に美味しい!とのことです。
ウイスキーは、アメリカ統治の時代の流れもあって、また、洋酒が安くなったということもあって、バーボンなどの高級酒が、水割りかロックでよく飲まれています。
特に、バーボン酒の入ったダブルの氷割りグラスを片手にベランダに出て、開放感の中で手摺に身を任せ、爽やかな海風が耳元を通り過ぎる夕べ、ゆっくり東京の雑踏を思い浮かべながら飲んだりすると、それは至福の時間となるのではないでしょうか。
そうしたことを味わうことの出来るお店が、島内には何軒かあります。人伝に聞いて、是非味わってみて下さい。
大塚も赴任時代、何度か島を訪れる出張者と一緒に、楽しく二次会などで体験させて頂きましたが、こうした一つひとつの行動が望郷の念となって、慕情となっていくのでしょうか。確かに、東京では味わうことの出来ない異国情緒風の豊かな雰囲気なのです。
ところで、日本産のウイスキーは意外と多くは飲まれていません。これも、個人の主観ですが……。
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