何度も何度も、僕は親戚に聞かれた。その疑問になんと答えればいい? その時は上手く表現できなかったけれど、今なら言える。

It’snotfair.

僕の気持ちなんてまるで考えず、親戚たちは、あなたのお父さんは悪い人よ、お母さんについていきなさい、なんてしつこくつきまとった。

数ヶ月の逃避行の末、結局母は家に戻ってきた。

両親は疲れてボロボロで、格好悪かった。でも、もっと格好が悪かったのは僕だ。僕は何もかも嫌になっていた。学校も友達も大好きな野球も、全てどうでもよかった。高校生なのに学校にも行かず、街をぶらぶらさまよい歩き、ろくに家に帰らなくなった。

自分の病気をかえりみず男と逃げた母。苦しむ母と僕に背を向けるように、全て見て見ぬふりを続ける父。ただの野次馬となり、物事の本質をみない親戚。

全てが許せなかった。

僕は周りの人間に対して絶望した。

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