また野球と向き合うんだ。僕の体は鈍りきり、筋肉は脂肪に変わっている。ただ、もうやるしかない。自分の人生を切り開くのは、自分しかいないんだ。これからは自分との戦いだ。もう決して逃げない。負けはしない。季節はもう夏に向かっていた。当たり前だけど、野球は一人ではできない。かといって、いまさら簡単に野球部に入部させてはもらえないだろう。かろうじて入部できたとしても、おそらく球を握らせてももらえない。それ…
[連載]野球の子
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小説『野球の子』【第8回】大藤 崇
野球は限られた距離のスポーツだ。投手と打者の距離を心理的に縮められることができれば、それだけ投手が有利になる。
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小説『野球の子』【第7回】大藤 崇
「君は今、天に試されているんだ。逃げるのか、それとも戦うのか。」その夜、僕たちはたくさんのことを話し合った。
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小説『野球の子』【第6回】大藤 崇
母の死によって一変する生活 「僕にはもう、何もなかった。」それでも、ラジオだけが心を躍らせた
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小説『野球の子』【第5回】大藤 崇
父と僕を捨て、好きな男と出て行ってしまった母。「帰ってきてほしい」と伝えたくて…
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小説『野球の子』【第4回】大藤 崇
グラウンドが見たくてたまらない! 寝台列車に揺られて甲子園球場へ
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小説『野球の子』【第3回】大藤 崇
今まで誰も友達がいなかったけれど、やっと一人、僕と気持ちが通じ合う人ができた!
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小説『野球の子』【第2回】大藤 崇
野球との出逢いは、僕の生活を一変させた。夏休み中の毎日が短かった…。
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小説『野球の子』【新連載】大藤 崇
少年が感じた孤独。両親から何でも買い与えられていたが…。