お花の絵かけたよ
「お母さん、見て、お花の絵」
ひなちゃんが絵を見せました。すると、
「ひな、じょうずだね。すてきだよ。雨がすき、じょうろもすき、さあ歌おう、いっしょに歌おう♪」
お母さんは、さっき聞いた花の歌と、同じ歌を歌いました。
「なんで? お母さん、その歌、知っているの?」
ひなちゃんが聞くと、
「わすれたの? お母さんが、じょうろで、花に水をかけていたら、ひなが、じょうろの雨だ~って、よろこんで、だから、その時に、この歌を、いっしょに作って、歌ったじゃない。なつかしいわね」
お母さんは、にっこりわらっていいました。
「じょうろの雨って、わたしがいったの?」
ひなちゃんは、てれくさそうに聞きました。それから、
「ねえ、この花、なんていう名前なの?」
お母さんが、こんどは、さっきの歌を、ゆっくりと歌いました。
「『ア』めがすき
『ジ』ょうろもすき
『サ』あ歌おう
『イ』っしょに歌おう♪」
「あっ、わかった。お花の名前は、ア・ジ・サ・イ。アジサイでしょ。思い出したよ。アジサイだあ」
ひなちゃんは、アジサイの絵を持って、くるりとその場を回りました。次の日になりました。今日も、朝からいい天気です。
「行ってきます」
ひなちゃんは、ランドセルをせおって出かけます。アジサイの絵は、くるくわるまいて輪ゴムでとめ、手に持っています。学校に行く前に、もう一度、アジサイを見に行きました。