また、アジサイの元気がありません。
「たいへん。アジサイさん、また、のどがからからなんでしょ。たおれないでね。今、じょうろの雨をふらせてあげるからね」
ひなちゃんは、ランドセルと絵を地面において、じょうろを取りに行きました。そして、たっぷりと水をかけてあげました。すると、アジサイは、また、ぴんと立ちました。
「よかったね、アジサイさん」
ひなちゃんは、学校へ行こうとして、さっき地面においたランドセルと絵を持ちました。
「あ~あ、ぬれちゃった。せっかく、かいたのに」
画用紙に、水がかかってしまいました。ひなちゃんは、がっかりして、絵を開いてみました。
「よかった。これでいい」
がっかりしたはずのひなちゃんが、こんどは、大よろこびです。じつは、画用紙が、水でぬれたところは、ちょうど、お花とアマガエルに、雨が当たったようになっていたのです。きのう、何か足りないと思ったのは、雨だったのです。
ひなちゃんは、アジサイの歌を歌いながら、学校へ行きました。そして、学校に着くと、すぐに、花子先生に絵を見せました。
「すてきな絵ですね。アジサイもアマガエルも楽しそうです」
花子先生に、たくさんほめてもらいました。ろうかにはられたひなちゃんの絵は、アジサイがにこにこわらって、あの歌を歌っているようでした。雨が当たって、お花もアマガエルもきらきらかがやいていました。