50代60代は疾患があれば内服薬で夜間頻尿はすぐに改善し、生活指導はほとんど必要ありません。仕事がルーチンワークになっているからです。
70代では生活指導が必要な場合が増えるが、その効果は意欲を持った生活行動次第で改善します。ルーチンワークの積み重ねのない場合、80代ではほとんどが生活指導が必要になり、効果にも抵抗性が増えてきます。
80代の治療(内服、内服+生活指導)抵抗性で3回以上が常態化すると、これは効果無しを意味しており、プレフレイル(注3の段階に入ったことを示唆しています。これが老化によって引き起こされる夜間頻尿の特徴であり、危険信号です。
高齢者は、健康を損なったり老化が深刻になるほど夜間頻尿が増えやすくなり、夜間頻尿の状態が身体状況的にも日常生活的にも健康のバロメーターになることは確かだと考えます。
(注1 フレイル(Frailty)とは、心と体が弱々しくなっている虚弱状態で、要介護の一歩手前の状態
(注2 老年症候群とは、いろいろな病気が組み合わさって衰弱している状態
(注3 フレイルの前段階で支援が必要な状態
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