なお、運動のルーチンワークを持った人とは、日々決まった運動行動を行い代謝の維持増進を実践している人を指します。これを60代から積み重ねている人は、他病が無ければ超高齢になるまで体力、生体機能を持ち続ける人たちです。
高齢になると、病気の矢が降り注ぐ戦国時代の戦の中にいるようなもので、大きな損傷を受けないように盾と矛と生き抜く意欲を持ち続けなければ倒されてしまいます。80代を過ぎると、生活指導を加えても治療抵抗性を示すような人を多く見かけるようになります。
一方で、生活に活動のルーチンを持ち、積み重ねている人は90歳になっても0〜1回の人が多く通院していて自立生活を送っていますが、多少の家族の援助もあるのかも知れません。
今や、目指すは90歳超えが普通の時代です。自立生活ができなくなり、認知症、フレイル(注1、老年症候群(注2などに進むと自分自身ではどうにもできずに、生活指導も効果なく、夜間頻尿が3〜5回が常態化し、生活の予備能力が限界に達します。どうでもよくなり、やがて家族もやむに止まれず施設入居の判断をしてしまう例をたくさん見てきました。
この状態では、よほど管理しなければ夜間頻尿は減らず、オムツになり場合によっては施設入居になります。失禁パンツ代、オムツ代もばかになりません。
特に、独居生活では、無為にじっと座っていることが多くなると、食欲も落ちてやせてきて、意欲もなくなりフレイルへと進んでいきます。
▼ 夜間頻尿の状態が健康のバロメーターになる
以上より、夜間頻尿が治療抵抗性に不可逆的に増える時は、身体機能、生体機能が低下し、自立生活が困難なフレイルや老年症候群の状態になっていることを示唆しています。