「自ら課題を見付け」ることは自発的な行為ですが、現実問題として、学校に通うすべての子どもたちが「総合的な学習の時間」になったら自発的に課題を見つけ探究を始めるという状況が実現されるためには大きな難しさが伴います。なかなか動きだせない子どももあると予想されますが、学校の教育活動としては、そのような子どもにも「探究」をするように働きかけなければなりません。
1)文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総合的な学習の時間編』2017、p.6.
2)日本実業出版社編・茂木健一郎監修『学問のしくみ事典』日本実業出版社、2016、p.130.
3)「総合的な学習の時間」で子どもたちが文字通り「総合的な」視点から学習活動を行っていれば、「アクティブ・ラーニング」や「教科横断的な学習」といった語句がことさらにクローズアップされることもなかったのではないでしょうか。「アクティブ・ラーニング」や「教科横断的な学習」といった語句があえて記述されるということは、「総合的な学習の時間」が実際には「総合的」な学習として不十分な面があるということなのでしょう。なお、「アクティブ・ラーニング」は「アクティブラーニング」と表記されることもあります。「アクティブ・ラーニング」は教育行政で使用されている(されていた)、「アクティブラーニング」は大学等の研究者が用いている表現です。
4)実際、このときの「総合的な学習の時間」については、現在のような「学習指導要領の解説書」は刊行されず、学習指導要領の総則の第3項に「総合的な学習の時間の取扱い」として記述された700文字ほどの情報がすべてでした。
5)文部科学省Webサイト「小学校学習指導要領(平成10年12月)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1319944.htm [2022.07.13. 14:11 閲覧]