例えば「総合的な学習の時間」で「環境」を課題とした場合、「とりあえず『環境』に関する知識を定着させることを目指す」といったことに留まらない活動の構成を行っていく必要があるのです。

なお、総合的な学習のタイプですが、以下のような3つが挙げられています11)

①関連・合科型:各教科等の内容で共通するものを関連させたり合わせたりして、それぞれの目標を達成する学習タイプ

②横断型:各教科等の学習内容や活動の中から共通する課題を取り出して、それらをまとめたり関連させたりして行う学習タイプ(いわゆる横断的な学習)

③総合型:各教科等の枠にとらわれず、子どもの願いや求めに基づく課題を設定し、追究する学習タイプ(いわゆる狭義の「総合的な学習」)

どのタイプによる学習を構想するかは、学校の実態により「①からスタートして、学校の年間活動計画の作成に伴って②や③に切り換えを図るようにすることが望まれる」12)とされます。


1)中野重人・廣嶋憲一郎編著『自ら学ぶ「総合的な学習の時間」のつくり方』東洋館出版社、1999、p.15.

2)「技能は高くなれば高くなるだけよい」というような暗黙の前提がありますが、そうした「専門性」に通ずることに終始するのではなく、教育活動には「目的・ねらい」が大切です。そうしたことを踏まえたとき、大学は専門教育ですが、その中でも教員養成に関わる大学においては「教員として子どもの教育に携わる」ことを考慮せずに専門性を高めることに留まってはならないといえます。

3)筑波大学附属小学校初等教育研究会『自分づくりを支える総合活動』図書文化、1999、、p.16.

4)前掲書1)、p.15.

5)前掲書1)、p.11.

6)前掲書1)、p.15.

7)筑波大学附属小学校初等教育研究会『自分づくりを支える総合活動』図書文化、1999、p.17. に、「『活動それ自体を目標とする学習』があっていいはずだという考え方から、この活動を『総合活動』と名づけ」て昭和48年度から設定されたことが述べられている。事実上の「総合的な学習の時間」であるといえる。

8)高浦勝義『総合学習の理論・実践・評価』黎明書房、1998、p.14. に、「この時間においては『各学校において創意工夫を生かした学習活動であること、この時間の学習活動が各教科等にまたがるものであること等から考えて、国が目標、内容等を示す各教科等と同様なものとして位置付けることは適当ではない』とされ、この時間の内容を規定することは見送られることになった」とあります。

9) 高浦勝義『総合学習の理論・実践・評価』黎明書房、1998、p.14.

10)前掲書9)、p.17.

11)前掲書1)、pp.26-27.

12)前掲書1)、p.27. 参照。