何想う事もあらぬに目覚めいてひたひたと夜の足音をきく
はろばろと生きて哀しみ拾いけり古希も半ばの冬陽さすなか
わけもなく心沈める日のありてひっそりと午後のコーヒーを飲む
心かが折れてしまいそうなとき、
寄り添い支えあう、心の歌。
原爆の悲劇、夫との死別、複数の病との闘い……。時代に翻弄されながらも困難と向き合った歌人が、自らの経験を生きる糧に代え、詠みあげる709首。平和で豊かな未来を願い、いまを生きる人に伝えたいメッセージを、連載にてお届けします。
何想う事もあらぬに目覚めいてひたひたと夜の足音をきく
はろばろと生きて哀しみ拾いけり古希も半ばの冬陽さすなか
わけもなく心沈める日のありてひっそりと午後のコーヒーを飲む