エッセイ 人生論 短歌 生き方 2020.07.27 「はい、私」とボタン押しつつ心ときめく 短歌集 生きる 【最終回】 田中 祐子 心かが折れてしまいそうなとき、 寄り添い支えあう、心の歌。 原爆の悲劇、夫との死別、複数の病との闘い……。時代に翻弄されながらも困難と向き合った歌人が、自らの経験を生きる糧に代え、詠みあげる709首。平和で豊かな未来を願い、いまを生きる人に伝えたいメッセージを、連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 第一章 人恋う 写真を拡大 雛飾る 写真を拡大 独り居 写真を拡大
小説 『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』 【第12回】 花田 由美子 認知症の母を助けようと下敷きに…お腹の子の上に膝をつき、全体重をかけられた。激痛、足の間からは液体が流れ、赤ちゃんは… 【前回の記事を読む】プロポーズされたのに、言えない…両親に家がないこと。借金まみれで、寮に住み込み、極狭スペースで寝起きしていること。「孝子」父親の声で目が覚める。「かあさんが、いない」孝子は腰かけた姿勢で目を閉じていた。玄関に取り付けた三重の鍵が外れている。一番上の鍵を外すために、お母さんは椅子を移動させたらしい。気がつかないほど熟睡してたなんて。「孝子、いつも悪いね」かすれた弱々しい声が心か…
小説 『愛[注目連載ピックアップ]』 【第23回】 高見 純代 絶縁状態の父からの手紙と一緒に届いたのは…「十年も遅れて申し訳ないが、受け取ってほしい」私は全く嬉しくなかった—— 【前回の記事を読む】どんなに偉くても、功績を残しても、人は必ず死ぬ。私の仕事は人の死と向き合う事から始まるが、慣れてくると…十二月の始めに、長さ一七〇センチのマフラーは編みあがった。両端に、長さ七センチのヒラヒラの飾り、フリンジを付け、完成した。二十日の日曜日を待つばかりとなった。私はできあがったマフラーを緑色の紙に包み、赤のリボンを結んだ。しかし、不安もあった。神矢はこれを喜んでくれるだろうか…