満開の河津桜に降る雨をテレビにて見る我は動けぬ
瓶にしてさくらの蕾日を重ねふくらみており薄きくれない
うらうらと陽の暖かし夫逝きし春三月の桜咲く道
心かが折れてしまいそうなとき、
寄り添い支えあう、心の歌。
原爆の悲劇、夫との死別、複数の病との闘い……。時代に翻弄されながらも困難と向き合った歌人が、自らの経験を生きる糧に代え、詠みあげる709首。平和で豊かな未来を願い、いまを生きる人に伝えたいメッセージを、連載にてお届けします。
満開の河津桜に降る雨をテレビにて見る我は動けぬ
瓶にしてさくらの蕾日を重ねふくらみており薄きくれない
うらうらと陽の暖かし夫逝きし春三月の桜咲く道