二分咲きの桜の下を傘さして行く人のあり小ぬか雨降る
満開の桜の枝に薄切りのレモンの如き月かかりいる
満開のさくらの下に一人佇ち散りゆくさまを息止めてみる
心かが折れてしまいそうなとき、
寄り添い支えあう、心の歌。
原爆の悲劇、夫との死別、複数の病との闘い……。時代に翻弄されながらも困難と向き合った歌人が、自らの経験を生きる糧に代え、詠みあげる709首。平和で豊かな未来を願い、いまを生きる人に伝えたいメッセージを、連載にてお届けします。
二分咲きの桜の下を傘さして行く人のあり小ぬか雨降る
満開の桜の枝に薄切りのレモンの如き月かかりいる
満開のさくらの下に一人佇ち散りゆくさまを息止めてみる