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エッセイ
『良子という女[注目連載ピックアップ]』
【第35回】
野村 よし

「開けてみると新札で50万入っていた。…はは、何を買うつもりやったんかなあ。」妻を亡くした友人が食器棚で見つけた紙袋は…

【前回の記事を読む】妻の冴えない表情が、私の心を重くしていた。今回私の悪い予感はすべて当たった。それを考えるとぞっとした。空気が冷たくなった。いよいよ冬の到来である。7時前に良子を訪ねた。今夜から食事が出たと言う。といっても勿論流動食である。「重湯」「いりこ味噌」「コンソメスープ」「オニオンスープ」とメニューにある。「全部は食べられなかった」と良子は言った。「絶対に無理せぬように。慎重に、慎重に…

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小説
『愛[注目連載ピックアップ]』
【第8回】
高見 純代

「君は他の女性とは違う、大事にしたいんだ」——真剣なのは表情で分かった。でも彼の中で自分がどういう存在なのかは分からず…

【前回の記事を読む】父は、母が出て行ってからも私を思いやることはなかった。会話はなく、口を開けば「マッカーサーの野郎が…」と同じことばかり…月曜になり、私はまた『ココ』へ行った。やはり神矢は来ていた。「コスタリカコーヒーって、本当に香りがいいですね」私の鼻先に芳醇な香りが漂っていた。「本当に気に入ったんだね」 と神矢はうれしそうに笑った。「えぇ」「そうだ、君にプレゼントがあるんだ」と言って、神矢…

ランキング

  1. 小説
    『夢を叶えた、バツイチ香子と最強の恋男』
    【第5回】
    武 きき
    1位 1

    「私、初めてです。こんなに気持ちがいいって…」――彼の顔を見るのが恥ずかしい。顔が赤くなっているのが自分でも分かった

    【前回の記事を読む】「綺麗だ」バスタオルが落ち、丸裸になった私を彼は抱きしめた。「抱いていいかい?」手を引かれ、そのまま寝室へ行き…朝、いつものように、席に着いた。「どうした? 香子、妙に静かだな」…
  2. 小説
    『あなたの子供が生みたかった』
    【第9回】
    水木 三甫
    2位 2

    二階へ上がるとすぐに男女の喘ぎ声が聞こえてきた。「このフロアが性交室となっています。」目のやり場に困りながら、男の後について歩くと…

    【前回の記事を読む】「あなたは非常に頭のいい方だ。この施設では毎日若い男女にセックスをしてもらっています」「でも、生まれてきた子供はどうするんですか?」「そこがひとつの大きな問題でした。今現在は孤児…
  3. 小説
    『夫 失格[注目連載ピックアップ]』
    【最終回】
    時亘 一肇
    3位 3

    遂に家出を決行。夫が帰るギリギリで娘とペットを連れて何とか車に乗り込んだ。やっとの思い出宿泊先に着くと、夫から大量の着信が…

    【前回記事を読む】夫が2階に上がるたびに走る緊張感。少しずつ、少しずつ、荷物を運び出し、夫から離れる準備を進める…絶対に悟られてはいけない今日家を出る。夫が出勤するのを、いつもよりも遅いと感じながら…
  4. 小説
    『あら、50歳独身いいかも!』
    【第2回】
    武 きき
    4位 4

    10歳年下の彼から突然の告白。戸惑いつつも相手を試すように口にした「私を○○○みる?」その言葉とは…

    【前回の記事を読む】「二か月前からあなたを見ていました」――49歳独身女性がバーで若い男性と出会い…年下×中年の物語が始まる!「どこかに行くの?」涼真君、ズッコケている。「恋人として本気で、お付き合…
  5. 小説
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[新連載記念ピックアップ]』
    【第10回】
    武 きき
    5位 5

    彼の家への突然のお泊り。必要な物を揃えるためにデパートへ。「下着は僕が選んでもいい?」彼は楽しそうに選んでいる。

    【前回記事を読む】夫の不倫で離婚してから一年。恋人なんて考えられないと思っていたが、「愛している」と耳元で囁やかれて...土曜日の朝、嬉しくて早く目が覚めた。今日は何着ていこうかな。寒いからロングス…

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    田井仲 博文
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    あなたは大丈夫? FXをギャンブル化してしまう人の特徴。結果を出すための注意点を1000万円溶かした男から学ぶ

    【前回記事を読む】FXのレバレッジは本当にギャンブルか? 国内外の倍率差から読み解く、ギャンブルとの決定的な違いと資産運用としての可能性先のように極端ではないにせよ、FXで常に儲けを出している人は、…
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    『愛[注目連載ピックアップ]』
    【第8回】
    高見 純代
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    【前回の記事を読む】父は、母が出て行ってからも私を思いやることはなかった。会話はなく、口を開けば「マッカーサーの野郎が…」と同じことばかり…月曜になり、私はまた『ココ』へ行った。やはり神矢は来ていた…
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    『さまよう記憶の行方』
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    夢崎 秀弥
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    「男性側に原因がある可能性が」…医師に告げられ、アレの検査へ。自宅採取か、“とっておきのビデオ”か選べるらしく…

    「なんで起こしてくれなかったのよ! パパ、学校に遅れそうだから、駅まで車で送って!」リビングの扉を勢いよく開け、娘が顔を出して叫んだ。スマホのタイマーを設定し忘れたらしく、起きたのは今から五分前らし…
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    『永遠と刹那の交差点に、君はいた。[注目連載ピックアップ]』
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    閑散としたロビーのソファーに腰掛ける白髪の男──その姿は細身の肉食獣“コヨーテ”を思わせた

    【前回の記事を読む】サイコ兄弟に敗北したという噂が渋谷を支配する中、男は敵組織への反撃を決意する8ホテルのロビーは閑散としていた。男がひとり、入り口近くのソファーに腰掛けているだけだ。男は博昭を見る…
  5. エッセイ
    『ことばの匂い』
    【第4回】
    竹本 祐子
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    「表か裏か」――人にも二つの顔があるかもしれない。しかし、そのコインは表だろうが裏だろうが、一枚は一枚の価値しかない。

    【前回記事を読む】ミョウガを食べると物忘れがひどくなるってホント?鏡と鏡を相対させると、そこには不思議な世界が展開する。影絵の森美術館では、作品の左右に鏡を配してあった。覗き込むと、タイムトンネルの…

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