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小説
『毎度、天国飯店です』
【第6回】
竹村 和貢

サークル勧誘チラシの前で、『徒然草』を抱えた美人と出会った…。

天国飯店の定休日は毎週火曜日。アルバイト生四人で、月曜から土曜の間の五営業日を分担する。四人のうち誰か一人が二営業日に入る。その者以外の三人のうちの一人が日曜日に店に入る。日曜日は大学が休みなので、朝の十時から閉店の午後九時まで十一時間店に入ることになる。「ほな、俺、明日もバイトやさかい、おっちゃんに自分のこと話してみるわ。多分、おっちゃんも構へん言わはる思うねんけど」夏生は、「できない」とは思…

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小説
『雲海のエガミ』
【第16回】
こた

広大な雲海の海に大小様々な島々が浮かぶ「エガミ」中でも大きな島の三国は争っていて…

カイユはドキッとして直ぐに手を引っ込めると、男は顔を隠したまま話し始めた。「俺の名前はムスク。エガミから来た」男がそうボソッと言った。カイユはそれを聞いた自分が驚いていなく、不思議に感じた。そしてムスクは呟くように続けた。「今は、雲海のエガミの小説を書いた作者の家に向かっている」カイユは、色々聞きたくて頭の中が混乱した。「あなたがムスク。じゃーあの時、本を盗んだ猫? 教会にも現れた?」ムスクはコ…

ランキング

  1. 健康・暮らし・子育て
    『子どもがおつかいに行ける社会』
    【第8回】
    神田 厚
    1位 1

    最近はもう見かけない…子どもが「おつかい」に行くべき理由

    【前回の記事を読む】兄の友人が溺れ…訃報を伝えに「おつかい」に行った小学3年生そもそも「おつかい」とは何でしょう? 私が持っている辞書には“おつかい”という言葉は載っていません。「つかい」を引いてみ…
  2. エッセイ
    『医療者のことばの持つ力』
    【第5回】
    田中 順也
    2位 2

    何度も何度もお願いをしても首を縦に振ってくれなかった母。その理由は…

    母親は料理する手を一切止めずに、「そんなん、アカンに決まっているやろ」と僕の方を振り向きもせずに言った。「リトルリーグって野球のことやで」とリトルリーグの意味を母親が知らないんだと思い説明をした。で…
  3. 小説
    『迷いながら揺れ動く女のこころ』
    【第17回】
    松村 勝正
    3位 3

    あの日深夜に主人の部屋での出来事があってから気持ちが揺らぎ、つい聞き耳を…

    テレビドラマに見る、子供のいる家庭で、笑い声や子供たちの言い争う言葉の嵐の中での生活を望んでいたわけではないが、山形家のような大人三人だけの殺風景な生活に何か物足りなさを感じて、自分が結婚生活を描い…
  4. 小説
    『ミネルヴァの梟』
    【第7回】
    御田 観月
    4位 4

    ある日突然の呼び出し。一般社員には生涯縁のない本社人事部に足を踏み入れると…

    ある日のこと、渉太郎は、人事部から突然の電話を受けた。本社ビルにすぐ来てほしいとの内容であった。思い当たる節もないまま、首を傾げて考え込んでいるところに、めったに話す機会のない事業本部長からも内線電…
  5. 小説
    『野球の子』
    【第5回】
    大藤 崇
    5位 5

    父と僕を捨て、好きな男と出て行ってしまった母。「帰ってきてほしい」と伝えたくて…

    僕は高校に入学した。入学と同時に、野球部に入部、甲子園大会で五連覇を達成した。ついでに国体も神宮大会も優勝。その年のドラフトでビッグ・キャッツから一位指名を受けて、プロ野球選手になった。あらゆるタイ…

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  3. 小説
    『千恵ねえちゃん』
    【第15回】
    城 唯士
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    一緒に暮らし始めてから初めて家族でちゃんとやる誕生会は楽しくて

    家に帰り着いたらお祖父ちゃんが来ていて、「暗くなったら服しか見えないぞ」と僕たちがすごく日焼けしたと大げさに驚いた。翌日、僕と由美は午前中ベッドでごろごろして、お祖父ちゃんもお店が夏休みだから家にい…
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    『遠い夢の向こうのママ 毒親の虐待と夫のDVを越えて』
    【第16回】
    かおる
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    育ての母から嘘のような優しい内容の手紙に思わず電話をすると…

    それからしばらくして山口家の一人娘、桃子姉ちゃんの結婚式が決まった。もちろん出席する。 どうしよう。新田のお母さんが来る。 新田家を出て初めてお母さんと会う。恐ろしくてたまらなかった。 「どうしたら…
  5. エッセイ
    『歌集 いのちの名』
    【第6回】
    出島 美弥子
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    傷ついた 思わぬことで 口黙る 心の病 時くすりかな

     傷ついた 思わぬことで 口黙る 心の病 時くすりかな 思いやり ひと言添えて お願いを ママの教えに 感謝のわたし  母ゆずり 手際の良さに 目分量 母からわたし 贈られし味 【前回の記事を読む】…

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