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エッセイ
『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』
【最終回】
市川 友子

殺し屋の看護師たちが私にのしかかっていた。とうとう腰の骨を折られて殺されると覚悟した。

幻覚と現実の交差注射器で毒を打たれそうになり、私は打たれまいと速い呼吸を繰り返していた。「落ち着いて、深呼吸して、ゆっくりと」看護師さんの顔が目の前に見えた。点滴の針を取り替えているところだ。それなのに殺人鬼扱いされたのでは、看護師さんもたまったものではない。私はラジオ局に助けを求めた。病院に監禁されている私と家族を助け出してくれと訴えた。しばらくすると大勢の人が病院を取り囲み、何人かが病院に侵…

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小説
『兎角儚きこの世は』
【第5回】
白井 忠彦

おぞましい夢を見た。謀反が起こり、私は炎の中逃げていた。親衛隊は皆切られ倒れ…そこには官服を着た誰かが立ちふさがっていた。

【前回の記事を読む】「年貢を納めるのはお前達の義務だ。できないというのは国に反旗を翻すのと同じだ」そう言うと、棒で農民達を容赦なく叩き付け…これにはサホンも動揺を隠せず、なんと不敬なことを言うのだと怒声を上げました。然し、ユンは先程とは反対に笑っていたのです。「中々面白いことを言うではないか。お陰でこの者の普段は見せぬ顔を見ることができた。然し、余に向けて発したその言葉の重さはそちが誰よりも分か…

ランキング

  1. エッセイ
    『振り子の指す方へ』
    【第19回】
    山口 ゆり子
    1位 1

    何故、妹の夫に体を許してしまったのだろう。もう誰のことも好きになれないはずの私は、ただあなたとの日々を想って…

    そう声に出して言いかけて、漠然とした思いがそれを聞くことを躊躇わせた。あの日、気が付くと二人はいつも一緒にいた。あの日、亜希子が『これは面白い!』と思うと、悟もすぐ隣で笑っていた。あの日『う~ん』と…
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    【第10回】
    川井 れもん
    2位 2

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  3. エッセイ
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    3位 3

    「お母さんが嘔吐を繰り返してる。いま救急車出発した」娘からのメール。私は結婚式の帰りの新幹線の中で、酒を呑んだし、雨だし…

    【前回の記事を読む】私は2階で酒を吞んで熟睡。妻は1階和室で寝たのだと思う。妻に異常はまったくなかった。なのに深夜、「お父さん、お父さん」と…雨が降り続いていた。母親を東邦大学病院へ送ってから、あい…
  4. 小説
    『お嬢様の崩壊』
    【新連載】
    いけだ えいこ
    4位 4

    銀行員の夫は給料五十万円のうち生活費を八万円しか渡してくれずついに…

    しずかは、自分がお嬢様だと思ったことはなかった。でも、最近になってやっぱり自分は周りと少し違うのかもしれないと感じていた。子どものころ住んでいた都内の家には部屋が十四ぐらいあったし、門から玄関までの…
  5. エッセイ
    『59才 失くした物と得た物[人気連載ピックアップ]』
    【第3回】
    有村 月
    5位 5

    震える手で息子に連絡を入れ病院へ急いだものの「間に合わなかった―」最後にただ一声だけでも夫の声が聞きたかった…

    【前回の記事を読む】「今週が山です。長くても2週間―」思いもよらない余命宣告に理解できずにいた私の背中を看護師長が無言でさすってくれ…その日、いつもの様に14時からの面会へ。痛むらしく話はできず。明…

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  1. 評論
    『自然災害と大移住――前代未聞の防災プラン[注目連載ピックアップ]』
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    児井 正臣
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    「東京ゼロメートル地帯」は荒川の両側に等しく広がり、墨田、江東、足立、葛飾、江戸川の5区が水没する可能性は高い。

    【前回の記事を読む】東京ゼロメートル地帯に迫る、洪水の脅威。隅田川の東に住む人々に、安全な場所への移住を提案する。東京ゼロメートル地帯と言われている隅田川の東、墨田、江東、足立、葛飾、江戸川の江東5…
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    【第5回】
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    『記憶の旅に栞紐を挿み[人気連載ピックアップ]』
    【第14回】
    村瀬 俊幸
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    「また来てね」まだ幼い子どもたちが、夜勤ばかりの私をベランダから見送ってくれる。手を振る我が子の声が聞こえた私は…

    【前回の記事を読む】「後悔はなかった?」「特に何とも」退職後も慕われるほどの先生だ。後悔がないはずがない。もし妻が教職を続けていたら…沖縄にはこの10年ほど毎年出かけています。私たちにとって、ここも…
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    野元 正

    娘が「王妃の椅子」と呼んでいた真っ白なラダーバックの椅子を譲り受け、大紅しだれ桜の下に置く

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    岡安 俊明

    妻から緊急電話。ゴミ捨て中に息子が玄関の鍵をかけたらしい。慌てて私の職場まで鍵を取りに来たが、その約20分の間、息子は…

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