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エッセイ
『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』
【第17回】
山口 ゆり子

妻の姉をソファーに連れて行き、そこにそっと横たえた。彼女は泣き続けながらも、それに抵抗することはなかった

【前回記事を読む】気が付けば、妻の姉に抱き着き声をあげて泣いていた。…妻が流産し幼児退行して2年。こみあげてくるものを耐えられなかったんだ静かに抱きしめ返してくる亜希子の背中をさすりながら、春彦は郁子とよく似た亜希子の温かさが二年の間にうらぶれた心をほぐしていくのを感じていた。あの日、同じように郁子を抱きしめられていたのなら、という思いと、もはや悲しみを共にする同士である亜希子が、どうしても春彦…

人気小説連載記事

小説
『終恋 [人気連載ピックアップ]』
【第2回】
高生 椰子

「死ぬ死ぬ詐欺」に遭った私がバツ2になった理由。――2回目の夫は23歳年上で、私以外の恋人が何人もいた。最初は内縁関係だったが…

【前回の記事を読む】一通のショートメール…45年前の初恋の人からだった。彼は私にとって初めての「男」で、そして、37年前に私を捨てた人だ。最初の結婚は、2年足らずで終わった。私は小さな府営住宅に住んでいる両親の元に出戻りした。別れた時、私は妊娠しており、シングルマザーで娘を産んだ。父は脳梗塞で自宅療養中、母には父の介護と私の娘の世話をしてもらっていたので、働き手は私一人だけだった。必死になって働…

ランキング

  1. エッセイ
    『ボクは、笑顔でできている ~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~[注目連載ピックアップ]』
    【新連載】
    向井 健一郎
    1位 1

    朝起きると、背中の激痛と大量の汗。循環器科、消化器内科で検査を受けても病名が確定しない... 一体この病気とは...

    2015年7月27日の朝6時ごろ、私は大量の汗と背中の強い痛みを感じて、いつもより早く目覚めました。あまりの異常な事態に横で寝ていた妻を起こして「何かおかしい、背中が痛い」と告げました。妻は普段はあ…
  2. 小説
    『店長はどこだ[人気連載ピックアップ]』
    【第12回】
    八十島 コト
    2位 2

    どうしてあんなブサイクと妻が...亡き妻の浮気相手をついに発見するも、エリート夫は困惑。

    翌週の土曜日、達郎は金沢に来た。駅前の金沢東都ホテルにチェックインした。いったん荷物を置いた後、ホテルの一階にある喫茶店に入って、コーヒーを飲みながら、フロントでもらった市内のガイドマップに目を通し…
  3. 小説
    『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』
    【第17回】
    松村 勝正
    3位 3

    あの日深夜に主人の部屋での出来事があってから気持ちが揺らぎ、つい聞き耳を立てると、彼女の甲高い声が…

    【前回の記事を読む】「あなただって奥さんに間違えられたっていいものね。付き添いの女性が美しいほど主人も気分が良いでしょう」と家政婦に言ってみたテレビドラマに見る、子供のいる家庭で、笑い声や子供たちの…
  4. 小説
    『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』
    【第18回】
    三上 ミカン
    4位 4

    「わたしそいつとやっちゃったんだよね。」せっかく美大に入ったのに?「実際はどっちの子か分からないの」...妊娠?

    【前回の記事を読む】「お母さんが不倫ってありえなくない?」下着姿を不倫相手に送っていた継母に絶望したという友人新人である私たちはカウンター越し、それも結構な距離があるので初めてでも安心して接客ができ…
  5. 小説
    『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』
    【第6回】
    松村 勝正
    5位 5

    「誰、どうして」…壁一つ隔てた夫の部屋から、かすかに女性の声が聞こえた夜。

    【前回の記事を読む】入浴介助中、ラグビーで鍛えたご主人の胸厚の体を擦るのは、異性に接する楽しみの一つだった。――奥様に対して敵対心はないが…結婚を意識した時、悠真さんから「自由に趣味に生きてください…

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    『GWピックアップ』
    【新連載】
    原田 和幸

    江戸時代の標準的な大名庭園…東京・文京区「六義園」の魅力

    江戸時代、諸大名は上屋敷、中屋敷、下屋敷を建てて住んでいましたから、武士達だけで江戸の七十パーセントの土地を使用していました。屋敷にはそれぞれ庭園を設けていましたから、当時の江戸は緑地溢れる都市でし…
  2. 小説
    『終恋 [人気連載ピックアップ]』
    【第2回】
    高生 椰子

    「死ぬ死ぬ詐欺」に遭った私がバツ2になった理由。――2回目の夫は23歳年上で、私以外の恋人が何人もいた。最初は内縁関係だったが…

    【前回の記事を読む】一通のショートメール…45年前の初恋の人からだった。彼は私にとって初めての「男」で、そして、37年前に私を捨てた人だ。最初の結婚は、2年足らずで終わった。私は小さな府営住宅に住ん…
  3. 小説
    『猫と狸と、ときどき故郷』
    【第10回】
    宮本 正浩

    日々心身の衰えを感じているおじいさん。しかし元日の朝、薬で絶世の美女に大変身!

    【前回の記事を読む】いつもの散歩コースを変えて歩くおじいさん。少年野球を見つけ、観戦していると突然……?両目でしっかりボールを捉え、顔の前でしっかりとボールを捉えました。何とも言えぬ良い緊張感が全身…
  4. 小説
    『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』
    【第24回】
    三上 ミカン

    親友の彼氏は、私の彼氏の息子だった…42歳と告げられたが、年の差なんて関係なかった。

    【前回の記事を読む】身籠ったまま、歩道橋から身を投げた。母の不倫相手に暴行され、家族から疎まれ、世界のどこにも居場所がなかった私の友達。四年生になった私は五月に内定をもらい、卒業に必要な単位を修得し…
  5. 小説
    『揺れ動く女の「打算の行方」[人気連載ピックアップ]』
    【第12回】
    松村 勝正

    「彼は重症なの、私は付いていけない」マザコン彼氏との “のどぐろ” の一件を母に話すと、「あなた30の大台に乗ったのよね」と…

    【前回の記事を読む】「家ではいつもママが骨を先に除いてくれるんだ」と、煮魚を前に躊躇する彼。「じゃあ私がお母さん役になってあげる」と言ったけど…翌日、土曜日の夕方の食事時、この日は父がゴルフに出かけ…

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