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小説
『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[人気連載ピックアップ]』
【第2回】
武 さき

「もうあなたを愛せない!」別れを切り出した夜、主人は何も言わず私のベッドに入ってきて...

「明日から行くから」と。私は無視して二階に上がった。主人がシャワーから上がって寝室に入ってきた。主人に背を向け寝ているふり、主人が私のベッドに入って来た。「何!」大声で言い放った。主人は何も言わず私を抱こうとした。「何を考えているの!」「やめて!」主人は人が変わったように無理やりキスをし、パジャマを脱がしている。「放して!」言っても手を止めない。凄い力。初めてだ。首にキスをし、胸をつかんでくる。…

人気小説連載記事

小説
『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』
【第12回】
行久 彬

「手遅れの膵臓癌でよく持って半年」…ベッドに横たわる母の頭をそっと撫でながら涙が頬を伝った

しかし、店をしっかりと切り回し地元の行事にも積極的に手を貸して港町の女傑と評判の智子も病気には勝てなかった。嫁ぎ先から出戻り美紀が店に出るようになって十年ほどが経った頃だった。「少し背中の腰辺りが痛いんや。鈍痛だったりキリキリ痛んだり。歳かねえ」智子は亡くなる一年ほど前からそう言いながらよく右手でそこをトントンと叩くようになった。その痛さが、美紀が無理に受けさせた病院の…

ランキング

  1. 小説
    『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』
    【第9回】
    行久 彬
    1位 1

    激しく雨の降る夜―血走った目で唸り声をあげながら夫の手が私の首に掛かり…

    「貴方、貴方、大丈夫なん?」美紀は靖夫が悪い夢にでもうなされているのかなと思い、半身を起こして軽く靖夫の肩を揺さぶった。靖夫は目を覚まさなかったが唸り声は止まった。チラッと見た枕元の時計は午前一時を…
  2. エッセイ
    『朝陽を待ちわびて』
    【新連載】
    桜木 光一
    2位 2

    父の通夜に現れなかった妻。自宅階段の手すりに白い紐が結ばれていて…

    妻の命を守るためにご尽力頂いた皆様に感謝申し上げます。医療機関の皆様には特にお礼申し上げます。自傷行為者の介添人として私自身も入院させて頂いたことは、妻の励みになりました。心から感謝します。私が疲弊…
  3. 小説
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』
    【第15回】
    武 さき
    3位 3

    「私、シンデレラ?」不倫をされ傷ついた先で素敵な男性からのプロポーズ、結婚指輪、結婚式と幸せなことが次々と!!

    翌月の吉日に近藤さんに証人になって頂き、婚姻届を区役所に出した。「今日から、今井ゆりだね。僕が守って行く。幸せになろうね」「今井ゆりです。よろしくお願いいたします」「健のところで結婚指輪を注文してい…
  4. 小説
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[人気連載ピックアップ]』
    【新連載】
    武 さき
    4位 4

    ホテルの出口から見知らぬ女と一緒に出てくる夫を目撃してしまう。悔しさがこみ上げる。許せない。裏切られた。離婚しよう。

    「ねぇ、すみません。カフェオレのお代わり下さい」今、ドーナツ屋さんで大好きなホットカフェオレを飲みながら主人との生活や子供達そして三週間前の事を思い返している。あの時、あの時間にあそこを通らなければ…
  5. 小説
    『高校生SM 』
    【新連載】
    大西 猛
    5位 5

    あの人は私を磔にして喜んでいた。私もそれをされて喜んでいた。初めて体を滅茶苦茶にされたときのように、体の奥底がさっきよりも熱くなった。

    さっきよりも空が暗くなったと思ったら雨が降ってきた。頬に、額に、冷たい雨の粒が落ちた。零下に近い空気で冷やされたその粒は今にも雪に変わりそうだった。私は自然と急ぎ足になった。その建物の前を通ったとき…

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  1. 小説
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    【第12回】
    行久 彬

    「手遅れの膵臓癌でよく持って半年」…ベッドに横たわる母の頭をそっと撫でながら涙が頬を伝った

    しかし、店をしっかりと切り回し地元の行事にも積極的に手を貸して港町の女傑と評判の智子も病気には勝てなかった。嫁ぎ先から出戻り美紀が店に出るようになって十年ほどが経った頃だった。「少し背中の…
  2. 小説
    『高校生SM 』
    【第14回】
    大西 猛

    私は神に祈る気持ちでチョコを差し出した。「食べたら感想聞かせてください」味ではなく、自分の気持ちに対する感想を。

    授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。あの人は小さく頭を下げてから、教壇を下り、いつもと同じように足早に教室から出て行った。私は引き出しのチョコを手に取った。それは水色の包装紙で包まれていた。誰も私…
  3. 小説
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』
    【第18回】
    武 さき

    「着替えてくるね」スポーツ観戦のたびに妻はユニフォームに着替えて僕を楽しませてくれる...

    次の金曜日。さぁ、今日はラグビーワールドカップベスト8だ。午後からソワソワして仕事にならない。こんな事初めてだ。「どうしたのですか。さっきから時計ばかりを見ていますけど」と専務。「そうだよな。今日の…
  4. エッセイ
    『あなただけが消えた世界』
    【第6回】
    上島 薫

    高校に入学したものの、人は簡単には変われない。まともに通ったのは最初の一週間だけで、また登校拒否となり、わずか一か月で…

    振り回される心、感情そのものがなくなったら、人は人形のようになっていくことを知った。でも、人形のようになったという自覚が当時はなく、ただこの方法で楽になれたということだけだったけれど、後になって振り…
  5. エッセイ
    『句碑と遊ぶ 改訂版』
    【第4回】
    松下 与志子

    性病が原因で離婚、屈辱的な体験、差別を受けながら日本初の女医となった荻野吟子が証明した「努力」と「忍耐」の果てにある希望

      千葉県成田山新勝寺は初詣、節分豆まきともなれば関東では一、二の人出を競う大寺である。最近久しぶりにこの辺りを歩く機会があり興味深い二体の像に会うことができた。一つは境内の七代目市川團十郎座像であ…

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