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エッセイ
『運命に寄り添う、そして生きる』
【第19回】
輪月 舟

第二子出産後に始まった地獄。障害を持つ次男に怒り、そしてDVが始まった…

【前回の記事を読む】「もう無理、限界」子育てと家事と仕事と博士論文。三足以上のわらじを履いての生活…5.人生の転機未入籍の事実婚から入籍:夫婦同姓になる実は、夫とは第二子が産まれるまで入籍していなかった。事実婚だった。長男が生まれる頃、国会で夫婦別姓の法案が審議にかかるという報道に期待し、その日をずっと待った。その日はついに来なかった。夫婦別姓で事実婚を貫く私の「こだわり」のせいで、子に不利益が…

人気小説連載記事

小説
『魂業石』
【第16回】
内海 七綺

「それって浮気の始まりだよ。旦那さんが可哀想…もしかして、上手くいってないの?」目が輝いた。私の不幸を期待した?

ステンドグラスの窓が特徴的な影を床に落としている。極彩色の光のうねりが、今の気分にぴったりだ。「いい喫茶店だね、愛弓」「そう? 雪さんに気に入ってもらえてよかった」ミックスジュースを飲んでいた愛弓が、太くて短い首を器用に竦める。それ、亀みたいに見えるからやめたほうがいいよ、という言葉が喉まで出かかって、雪子は慌ててクリームソーダを飲み込んだ。「実は旦那さんが仕事の帰りによく寄る店なんだ」愛弓がは…

ランキング

  1. 小説
    『愛は楔に打たれ[人気連載ピックアップ]』
    【第2回】
    青石 蓮南
    1位 1

    父に会いたい…。別れた父を求めて、かつて家族で暮らしていた家へ。十年ぶりに訪れたこの家に父はまだ住んでいるのだろうか…

    家の中は物音すらしない。時々、壁か屋根かが軋む音がする。木造二階建てのその家には、両親が離婚した小学一年の春に、有花と、兄の省吾と一緒に移り住んだ。縁側に座ると、遠くで野良猫が鳴く声が聞こえてきた。…
  2. エッセイ
    『僕の大学デビュー天下取り物語』
    【第9回】
    松本 竹馬
    2位 2

    喧嘩を売った相手は、本物のヤンキーだった。それでも、メンツを保つために逃げ出すことなんてできない。そう思い前を見た瞬間...

    時間が迫り、僕らは決戦の場所である駐車場に向かった。各々の武器をワゴンRに詰め込み、AK-69を爆音で流しながら、無理矢理、荒い運転をして。駐車場に着くと、まだ工学部の連中は来ていなかった。「あいつ…
  3. 小説
    『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』
    【第2回】
    行久 彬
    3位 3

    父は一月のある寒い朝、酒を大量に飲んで漁具の鉛を腹に巻きつけ冷たい海に飛び込み自殺した…

    智子は実直で潔癖なところがあり、今までも孝雄の参加した漁協主催の親睦旅行先での下卑た出来事を漁師仲間たちが面白そうに話すのを聞く度に嫌な思いをしていた。そんな話に慣れることはなく、むしろ話を聞く度に…
  4. エッセイ
    『運命に寄り添う、そして生きる[人気連載ピックアップ]』
    【第2回】
    輪月 舟
    4位 4

    虐待のきっかけは「ダメ母」の烙印。家族の援助もなく、毎日、初めての育児に孤軍奮闘していた。なのに、一か月児健診で…

    被虐待児と母親の悲しみを知る小児科の看護師になる!と決め、卒業実習で小児看護を選択し、再び小児科ロング実習へ。そこで出会ったのが、救急医療用ヘリコプターで意識不明の重体で救急搬送されてきた、八歳のH…
  5. 小説
    『虹色の魂』
    【第6回】
    青居 蒼空
    5位 5

    「お母さんは、もう少ししたら天国に行くんだ」父の言葉に戸惑いながら、冷たい母の手に触れていると突然感電したような衝撃が走り…

    父は天井に目をやり、少しの間考え込んでから、「お母さんは、もう少ししたら天国に行くんだ」と、言った。「天国? いつ帰ってくるの?」僕が首をかしげると、父が顔を振る。「いつ帰ってこられるか分からないけ…

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  1. 歴史・地理
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    【第11回】
    橋本 正浩
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    「日出ずる処の国の天子が書を日没する処の天子に致す......」鮮卑族の王朝に対して、変わらぬ姿勢で対等交流。

    さて、ここで改めて、中国の史書が語る我が国の古代史を見てみましょう。中国の史書にあるように、我が国はAD1世紀中頃に後の邪馬壹連合王国の一つに挙げられている「奴国」が漢に朝貢し、AD3世紀中頃にはそ…
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    『仕事で悩む若者は適応障害なのか[注目連載ピックアップ]』
    【第9回】
    野坂 きみ子
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    自ら選び取った仕事で、辞める自由も裁量もあるのに?適応障害の診断基準から外れる、若者たちのストレス原因

    休職に入っても症状がよくならず治療が長くかかる人もいますが、診断書を出してもらってパッと退職するケースなどは、目的は治療と言うよりも社会関係の穏便な解消であると考えられるので、それが達成されると症状…
  3. エッセイ
    『運命に寄り添う、そして生きる[人気連載ピックアップ]』
    【第6回】
    輪月 舟

    発達障害がある次男、担任教師は障害差別偏見のカタマリ。ジャージで家庭訪問し、長男に「こんな弟の面倒まで見てえらいね」と…

    ・転校:発達障害は免罪符にならなかった発達障害は、不登校の状況を配慮される免罪符となってくれるのか。発達に躓きをもつ子のための「通級指導教室(学びの教室)」を併設している小学校に転校した。障害児クラ…
  4. 小説
    『魂業石』
    【第16回】
    内海 七綺

    「それって浮気の始まりだよ。旦那さんが可哀想…もしかして、上手くいってないの?」目が輝いた。私の不幸を期待した?

    ステンドグラスの窓が特徴的な影を床に落としている。極彩色の光のうねりが、今の気分にぴったりだ。「いい喫茶店だね、愛弓」「そう? 雪さんに気に入ってもらえてよかった」ミックスジュースを飲んでいた愛弓が…
  5. 小説
    『溶けるひと』
    【第19回】
    丸橋 賢

    旧態依然とした医療業界、ひいては日本社会に、歯科医である草介は愛想をつかしていた。思い起こされる、かつて業界から袋叩きにあった記憶―。

    なぜ生きる力が失われたのか、その原因を二つ思い浮かべている。一つは日本的な甘やかしだ。論文に草介は書いた。「団塊の世代を中心にした奮闘により、日本は繁栄したが、若い人が努力なしでも新車に乗れる時代に…

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