樹里が高校生になって間もなく、恭一は転勤で、家から高速道路を走って二時間のところにある県外の支社に勤めることになった。子どもの学校のこともあったので単身で行くことにした。結里亜は地区の数多い行事や自治会への参加、また、義父母の世話を一人でやらなければならないことへの不安はあったが、まあなんとかなるだろうと楽観的に考えていた。恭一は一カ月に一度か二度帰ってくるのだが連絡をせずに急にくる。それは、朝…
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