ここでリプリーがニューヨークを脱出し、イタリアへと向かった経緯を説明しておこう。リプリーが読者の前に現れたとき、彼はすでに詐欺師で悪党だった。俳優になる夢をあきらめたリプリーはどうやって生計を立てていたのか。所得税詐欺によってである。米国国税庁職員に成りすまし、税金をきちんと納めていない(とリプリーがあたりをつけた)人々へ督促し、偽の私書箱へ送られてきた不足分の小切手をまんまとせしめていたのだ。…
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