古谷タケル、それがこの男の名前だった。まったく聞いたこともなかった。もっと近寄りたい、触れたいと思った。看護師に許可をもらいガラスのドアの中に入った。「ごめん、こんな苦しい思いをさせて」武史はつぶやきながら、そっとタケルの人差し指に触れた。柔らかいその指はまるで女性のようだった。白くて細い、節くれのない長い指は自分の物とほぼ同じものだった。爪の形まで同じ。なんてことだ。切り方にも二十数年分の癖が…
短編小説の記事一覧
タグ「短編小説」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第15回】樹 亜希
昏睡状態の自分と同じ顔の男。その髪の毛を拾った武史は…
-
小説『絆の海』【第7回】吉村 真理
【小説】コロナの猛威が広まる時、美容師の男が想った相手は…
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第14回】樹 亜希
【小説】「何だろう、この感じは」…武史を襲う、不思議な感覚
-
小説『絆の海』【第6回】吉村 真理
コロナに負けじと働く美容師…ハサミ職人の真心に支えられて
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第13回】樹 亜希
【小説】謎は深まるばかり…入院先で浮上した「新たな疑念」
-
小説『絆の海』【第5回】吉村 真理
「力が入らない…」違和感を覚えた美容師、病院に行ってみたら
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第12回】樹 亜希
【小説】同僚の急死、地下鉄での出来事…呪怨の恐怖が襲う
-
小説『絆の海』【第4回】吉村 真理
交通事故に遭った美容師…「救急車への乗車拒否」の真相
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第11回】樹 亜希
【小説】突然の同僚の訃報…交錯する悪夢と現実
-
小説『絆の海』【第3回】吉村 真理
東北の被災地で「美容院のボランティア」…男性が呟いた一言
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第10回】樹 亜希
【小説】旧友と飲み、事故前の自分を取り戻したような気が…
-
小説『絆の海』【第2回】吉村 真理
28歳で美容院の店長に…初めてのお客さんの忘れられない一言
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第9回】樹 亜希
【小説】仕事も悪夢も浩介の顔を見て忘れてしまえたら……
-
小説『絆の海』【新連載】吉村 真理
【小説】急変する日常、小さな美容院のオーナー懊悩する…
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第8回】樹 亜希
【小説】大型バイクで起こした事故、被害者の男の姿は…
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第7回】樹 亜希
【小説】優秀な医学生が知った、想定外の「恐るべき事実」
-
小説『店長はどこだ』【最終回】八十島 コト
【小説】順風満帆な男に告げられた、警察からの衝撃の一言
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第6回】樹 亜希
深夜零時、散歩中の女性を殺害した男は誇らしさを感じていた
-
小説『店長はどこだ』【第24回】八十島 コト
【小説】どうして今頃…「妻の言葉」に夫の血の気が引いたワケ
-
小説『店長はどこだ』【第23回】八十島 コト
花瓶から女性の指紋を検出…「どこの誰なんだ?」捜査は難航し