守ってくれる人がいる―安心が眠気を誘う頃を見計らって、頻繁に過去の情景が脳裏に飛び込んできた。一番古い記憶は、幼稚園での大喧嘩―ある男子園児が「おまえの髪、ウンコみたいだよな」と馬鹿にしたのが発端だった。生まれつき色素が薄く、まるで染めたようなダークブラウンの髪は強い癖毛で、太い束が頭からぶら下がっていた。男子は美結を傷付けようと意図したわけではなく、むしろ美結に関心を向けられたかっただけだった…
現代社会の記事一覧
タグ「現代社会」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第15回】華嶌 華
(東京に出れば何かが変わる。東京にさえ行けば、きっと…)実際はどうだ。トー横に流れ着いた。風俗、パパ活、たちんぼ…
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第14回】華嶌 華
部署の空気は、ルッキズムに満ちていた。同性からは憧憬の目を向けられ、男性社員からは、はっきり「女の若さ」を求められ…
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第13回】華嶌 華
「もうやだ、死にたい、しんどい」なのに子どもを産む? 自分のしんどさを、子を産んで消化する。どこまで行っても自己都合
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第12回】華嶌 華
(おめでた婚でしょ?)(ママになるんだねえ)幸せにのぼせた新郎新婦の下品な顔。皆が「幸福」。ここに私の居場所はない。
-
エッセイ『ねぇねぇみかどのおばさん』【第14回】六谷 陽子
職質された!? この子はまだ12歳。中学生になったばかりで、悪いことをする子じゃない。「怖かった」と目に涙を溜めるのを見て…
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第11回】華嶌 華
男性社員からは“女性”として見られるが、企業においては“強い女性”でいなければ上にあがれない。さらに…
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第10回】華嶌 華
40代半ばにして、男性経験もない。私はつまり、独り身で、趣味もなく、仕事しかしてない女。会社に行けば人はたくさんいるけど…
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第9回】華嶌 華
親の後の風呂に抵抗があった。親の裸も見たくなかった。「家族だから大丈夫なのが当たり前」? 他人のほうがマシだった。
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第8回】華嶌 華
SNSで「#家出少女」を名乗ると、《泊まっていいよ!》と「神」が降臨するらしい。だけど、この子に限ってそんなことは…
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第7回】華嶌 華
この子は〈少女〉だ。愛おしさを感じ、私はうろたえた。母性、庇護欲、懐かしさ…心が縦横無尽に浮遊して、自分の年齢は消えた。
-
評論『操作から会話へ』【第13回】佐藤 良治
コンピュータを操作するのは「手」。だけど、ヒトと道具の間の存在として、「手」よりももっとふさわしいのは「声」!?
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第6回】華嶌 華
精神はくたくたでも、スーツと顔の皺は消した。“キャリアウーマン”だから。冗談を見極め、セクハラまがいの言動も受け流し…
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第5回】華嶌 華
確かに貯蓄はあった。会社から徒歩圏内の一等地に住み、望めば好きなものを毎日飲み食いできる。「独身貴族」も板に付いてきた
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第4回】華嶌 華
想像以上に、若さに執着している自覚はある。“お姉さん”と呼ばれたのが恥ずかしい。この子からすれば、“お母さん”でも…
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第3回】華嶌 華
トー横少女の“おうち”事情「あー、ネカフェとかマックとか、ここに泊めて〜っていうときもあるけど…それも変。だって…」
-
小説『あなたの居場所が見つかるまで』【最終回】永本 一
「みんなは悪くない。みんなのことは私が守るから」生徒の前で涙を流し、私の”不正”を訴える…私はそんなことしていないのに!
-
小説『SHINJUKU DELETE』【第2回】華嶌 華
“トー横”から奥へ奥へ、少女をストーキングする“キャリアウーマン”。…なんだろう。地下に潜り、重い扉を開けると…
-
小説『赤い靴』【第11回】高津 典昭
暴れたい放題のDV父と同じ屋根の下、家を出ずに就職すると言う娘。その理由は、母を守りたいから…
-
実用『補助金から学ぶ経営者マインド』【第11回】藤井 孝介
オープンしたてのハンバーガー屋が使える補助金とは?「広報費」としてのSNS用プロモーション動画の撮影費。
-
ビジネス『教員が変われない本当の理由』【第16回】有森 修嗣
今どきの子がすぐ不登校になるのは、”ひ弱”でわがままだから? ――いいえ、問題は子どもの側ではなく、学校の在り方に…