【前回の記事を読む】本気でストレスを解消したいなら真っ直ぐ“自分”と向き合わなければならない

第1部 正しい心の磨き方 ――理論編――

第2章 傷つきたくないという心が生み出す不都合

01 傷つきたくないという気持ちが、不運や不幸を生む

たとえば何か傷ついたことがあったとき、悲しんだり苦しんだり怒りを覚えたりと、マイナスの意識に囚われると思います。さらに残念なことに、もう二度と傷つかないように生きようとしてしまいがちになります。

こうなってしまうと、厳しい悪循環への道に少しずつ向かうことになり、傷つくことを恐れ続ける人生になります。傷つきたくないという思いに囚われ続ける人生になってしまうのです。最悪の場合は自殺や他殺、犯罪被害まで起こりかねません。

相手を意図的に傷つけるのはもちろん悪であり、その攻撃のエネルギーはエスカレートしがちになります。

他人に対しては厳しい目をもち、他人の善悪の判断ができるから自分は問題ないという自己正当化をしやすい人、自分たちは問題を起こさないようにコントロールしているのにというストレスを抱え、他人に対する愛が少ない人ほど、攻撃的になります。

大きな問題なのは、心の世界においては傷つく側もまた違った意味で悪となるということです。傷つきたくないと思った時点で、この先何か起こるのではないかという設定のエネルギーを含んでしまう。さらに傷つくという不都合は排除したいというエネルギーも含んでしまいます。これが逆に、傷つける可能性をもつ人と繋がり誘発するのです。