02 本当のメンタルトレーニングは傷ついた意識と向き合うことにあり
ここで少し考えてみて下さい、傷つきたくないという思いとは何なのか、それは実は自分の都合ではないのか、その自分の都合という小さな欲が裏目に回って傷つくようなことが起きたのではないのか、このまま傷つかないように生きていくと知らず知らずのうちにその思いはエスカレートしていき、さらに大きく傷つくことが起きるのではないか、という点です。
ここでもう一度、傷つきたくないとはどういうことか考えてみましょう。
とりあえず現実に傷ついたときは、その思いや感覚を大事に分析して学びに生かせればいいのですが、問題なのは何も起きていないのに未来の現実を選り好みするような思いを含んでしまうこと、つまり、不都合は受け付けたくない、排除したいという思いを含んでしまうことなのです。
こうした、普段感じることのないかもしれない心の本音の奥に潜んでいる意識が裏目に回ってしまうのです。傷つくようなことが起きるときというのは、実は傷つきたくないという思いが裏目になっていますよというサインであり、それを減らした方がいいですよという忠告なのです。
ここでわかってもらいたいのは、本当のストレス解消法と同じで傷ついた意識と正面から向き合うこと、なぜ傷つくのか、何に傷つくのかということを感じて気づいて欲しいです。
嘆いたり苦しんだり憎んだりという意識に囚われているより、実はこちらの方が結果的に楽なのだということ。もし傷つきたくないという思いの減らし方を身につけることができれば、そのぶん傷つかない心に近づいていけるのです。萎縮や緊張や焦りや恐れなどというマイナスの意識が確実に消えていくからこそ、何事にも行動的になれる。
これこそが本当のメンタルトレーニングであり、人間本来の生きる意味と目的であり、真の自由と責任であり、真の幸せへの唯一の道なのです。