六月になって、義経は六位相当の左衛門小尉(しょうじょう)に任ぜられ検非違使を命ぜられた。左衛門小尉は宮廷守護の長官、検非違使は都の警察権を持つ。つまり、地方官ではなく中央の官職を命じられたのである。義経は、何度も鎌倉に拝命の可否を窺ったが悉く黙殺された。頼朝の存念が分からない。頼朝は除目を出す側にも受ける側にも無断で動くことを禁じている。院ではそれが気に入らない。除目は宮廷・院の専断事項であり、…
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