遠くに見える険しい山々はまだ殆ど真っ白だが、肌に感じる風はもう春の暖かさと湿り気をたっぷり含んでいる。まばゆい光に細めた目を身近なものに移しながら、小幡聡順そうじゅんは目に入ったものにふと気を取られて、手を止めた。これは珍しいことである。聡順は薬草の調合を始めると、滅多に手を止めることがない。勿論もちろん込み入った薬の調合をする時は、何かに気を取られること自体ないが、薬研やげんに入れた薬草をす…
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