トワコは二階の物置部屋で母親の遺品整理をしている。亡くなって三ヶ月が経ち、ようやくそういう気持ちになれたのだ。享年八九歳、世間的には大往生といわれるであろう年齢だ。周りも親を亡くした人の方が多く、何も特別なことではないことぐらいトワコもわかっている。しかし、身近な人の死は大きな影響を与えるものである。簡単に日常に戻れるほど人間は単純ではない。重い腰を上げ遺品整理を始めたものの、母親が寝室として使…
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小説『インスタント・ストーリーズ』【第11回】紀伊 みたこ
母の遺品整理中に見つけた一冊の本。そこには誰にも話したことがない思い出が綴られていて......
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小説『岬 上巻』【第25回】まつはじめ
鋳造機械購入から3年。生産が間に合わないほどの注文で嬉しいはずが造りきれない!?新たな設備投資を考え価格交渉に乗り出す
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小説『インスタント・ストーリーズ』【第10回】紀伊 みたこ
自販機で必ず当たりが出る男。いつの間にか、当たることこそが日課になっていた。
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小説『岬 上巻』【第24回】まつはじめ
新しく開発された鋳造機械が欲しい!買い急いでいると悟られぬよう敢えて電話で価格交渉
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小説『インスタント・ストーリーズ』【第9回】紀伊 みたこ
もしかしたら見間違いかもしれないと、願望に近い考えが頭をよぎる。
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小説『刑事狩り』【第9回】人見 謙三
「課長は本当に上に弱いな。」残業時間が酷い強行犯係に、残業による成果の検証を求めたが、刑事たちは薄ら笑いを浮かべて…
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小説『岬 上巻』【第23回】まつはじめ
新しい開発製品にチャレンジ!アルミの壁とアルミサッシを一体化した壁をアルミ鋳物で製造
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小説『インスタント・ストーリーズ』【第8回】紀伊 みたこ
「だーるーまーさんが、こーろーんだ!」誰もいない廊下でひとり、恐怖でいっぱいになる
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小説『カナダの風』【第8回】森園 初音
「カナダ」が歩んできた歴史。現在のカナダ多文化主義の裏にある人種、民族の移動
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小説『岬 上巻』【第22回】まつはじめ
厄介物のシラスが資源に代わる!?シラスバルーンの実用化について工業新聞の記者から取材依頼。嬉しい反面新たな悩みが…
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小説『雲海のエガミ』【第18回】こた
「だから俺達は、君を捜したんだ。」牢屋に入れられて死にそうになっていた俺達は、ある男に助けられ、自由になったのだが…
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小説『千恵ねえちゃん』【第17回】城 唯士
熊野神社へ家族六人で初詣に行く。誰も「いい一年だった」とは言わないけど、家族のおかげでたくさん思い出ができた一年だった。
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小説『千恵と僕の約束』【最終回】成田 たろう
「ママが倒れて、救急車で病院に運ばれた!」7回もかかってきた娘からの電話。今朝は、あんなに元気だったのに…死が頭をよぎった
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小説『岬 上巻』【第21回】まつはじめ
シラスから作られるシラスバルーンとアルミの複合品作り。何気なく言った製品に先方は大乗り気で…
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小説『千恵と僕の約束』【第20回】成田 たろう
抗がん剤投与のため体内にポートを埋め込んだ妻。空港のセキュリティーゲートも問題なし!二人で香港・マカオ旅行へ
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小説『標本室の男』【第17回】均埜 権兵衛
半身筋肉男は厭世的に呟く。「生きていることは幸運でもなく不運でもなく、ただそれだけのことだ」と。
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小説『岬 上巻』【第20回】まつはじめ
社内で聖域化されていた赤字続きの鉄鋳物部門。「鉄鋳物」から「アルミ鋳物」への転換を提案し、舵を切る
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小説『千恵と僕の約束』【第19回】成田 たろう
「これが最後の一生のお願い!」東京のマンションに引っ越しすることだけが生きる望みとなっていた妻
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小説『オヤジのチャーハン』【第5回】道葉 いち
「早く元気になって、おれの新生『生姜焼き』を食べに来てくださいよ」 しかし宮さんは、その後退院することはなかった...
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小説『岬 上巻』【第19回】まつはじめ
製造会社としての始まりは茶筒の製造。資材を使って製造を始め、戦後復興の波に乗る