ただ救われたのは、最初に、まあ優子ちゃん、と言ったときの明るさを、美津子さんの声が失っていないことだった。もしかしたら美津子さんの中では、おにいちゃんのことはとうに整理がついているのかもしれない、とそのときのあたしは思った。「ユニ2(ドゥ)というお店よ。銀座の七丁目、並木通りのビルの五階。たしか一階はテーラーになっていたわ。えーっと、ドヴステーラーだったかな……」ドブス……あたしは笑ってはいけな…
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小説『春のピエタ』【第12回】村田 歩
最高学府を中退した銀座のクラブのホステス―!? 家出した兄の居場所が分かったと思いきや、え?源氏名?
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小説『ギャッパーたちの群像』【第18回】棚小路 蔵人
「そもそも漫画は低俗と決まっている。庶民の娯楽は低俗。」そう思っていたが…エリート裁判官の裏の顔は、漫画家!?
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小説『標本室の男』【第30回】均埜 権兵衛
自らの姿は隠しながら、その一方で、相手には心を開いて欲しいと望んでいた。そのムシの好さに彼自身はまだ気づいていなかった。
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小説『あなたの居場所が見つかるまで』【第18回】永本 一
大人のいじめ、ターゲットは私―。若くて綺麗、他の先生からも人気なレイナ先生は、常に自分が主人公でいるために邪魔者を…
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小説『不倫された側[人気連載ピックアップ]』【第2回】及川 夢
「男にも勘はなくても感はある」会話が少なくなり妻に無視され始め…「すれ違い」生活のなかビリビリと感じる「違和感」
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小説『春のピエタ』【第11回】村田 歩
兄が家出して5か月。兄の居場所を探るため、秘かに憧れていた兄の彼女に電話をかけてみると、「彼はお元気ですか」と…
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小説『月光組曲』【最終回】間埜 心響
「どうして赤やピンクの女の子らしい色の格好をしないの?」「限りなく白紙に近い状態でジャッジするため、私自身は色のない存在でいたいのです」
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小説『秘密の恋』【最終回】みね
それで、隕石は落ちたの?―うん、すごい美しかった。…君は死んじゃったの?―たぶん、死んだことがないからわからない。
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小説『不倫された側[人気連載ピックアップ]』【新連載】及川 夢
お互いパートナーがいたけれど出会ってビビッと来ちゃった2人。そして妊娠発覚!
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小説『春のピエタ』【第10回】村田 歩
母の事件後、兄は私と違っていじめには遭わなかったようだ。全国指折りの進学校で、育ちのいい優等生に囲まれて…
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小説『ジパングを探して!』【第3回】大和田 廣樹
母の葬式後に出てきた23年間分の「家計簿」。これを読んでいるうちに嗚咽がこみあげ涙が止まらなくなり…
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小説『春のピエタ』【第9回】村田 歩
「償う気があるなら、普通払うだろう。そんなんでよく仮釈放が決まったな。」泣きもしないお袋の顔は、自省などとは無縁の顔だ。
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小説『鶸色のすみか』【第16回】野原 ルイ
彼の奥さんは乳がんの闘病中、豪雨災害で亡くなった。―だが、彼女の遺体が発見された場所で、男性看護師とその車も発見され…
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小説『毎度、天国飯店です』【第11回】竹村 和貢
朝は故郷から送ってくる米と味噌汁で食事を済ませ、昼は三百円までの食事を学生食堂でとる。
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小説『犬の三楽斎』【第16回】上泉 護
12歳で嫁をもらった武田の嫡男…それに比べて自分は、姓を捨て、婿養子に行かねばならない。やりきれぬ想いを無理やり呑み込んだ
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小説『大王の密使』【第4回】都丸 幸泰
「不老不死はもちろん、ある。仏法の中に。仏の中に永遠の生はある」
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小説『春のピエタ』【第8回】村田 歩
お袋との面会。「なにもしてあげられなかった」と肩を震わせて泣くお袋を、口元だけで微笑んで見つめている妹は…
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小説『ぎんちゃんの生きとし生けるものとの対話ー里山生活編ー』【第11回】黒沢 賢成
キツネが夜中に森の中で人間を化かすという言い伝えは本当なのか?
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小説『春のピエタ』【第7回】村田 歩
刑務所で、お袋と13年ぶりに対面…こんなに小さな女だったか―。あの頃、生活が苦しく、いつも歯を食いしばっていたお袋は…
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小説『庭師と四人の女たち』【第19回】草原 克芳
冷蔵庫で冷やしておいた庭師からの貰い物の赤い果物を、ガラス皿に載せて持ってきた。一応は、上客扱いなのだ。