後になって、この頃感じたものが私の人生に大きな影響を与えたのだと思うようになった。妹がばっぱの具合が悪いことや、私に会いたがっていることを知らせてくれたのは、亡くなる三ヶ月前のことだった。「もう誰にも会いたくねぇ。あぎ(本名)にだけ会いたい」と言っているのだという。慌てて見舞いに行くと、ばっぱはベッドの上で眠っていた。入れ歯を取った顔は心なしか黒ずんでいて、死期が近くに迫っているような、切羽詰っ…
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