エッセイ 詩 哲学 2022.06.07 詩集「点滅」より3連 詩集 点滅 【第5回】 青山 修万 幸せとは。人生とは。 幽体離脱を体験、仏教哲学に親しんだ著者が、 新型コロナのまん延を機に様々なテーマについて自在に書き留めた、 withコロナ時代のための詩集。 「パンデミック」「かんせん」「正常性バイアス」「テレワーク」「ボランティア」「自己責任」「幽体離脱」「点滅」「おもてなし」「時空」「生きる」「空(くう)」など、162篇を収録。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 本記事は、青山修万氏の書籍『詩集 点滅』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。 【前回の記事を読む】詩集「点滅」より1連 引きこもり 男は、三年ぶりに家から外に出た。 殆どの人は、死んでいた。 しかし、引きこもりと言われた人達は 生きていた。
エッセイ 『遠い夢の向こうのママ[人気連載ピックアップ]』 【最終回】 かおる 身体中、痣だらけのまま着たウエディングドレス。DV夫が腕につけた痕は、結婚式の写真にもはっきり写っていた。 【前回の記事を読む】DV被害に衝動ODで入院。脳細胞の一部が死滅したらしく、言い返す気力も、考える力も、言い訳する思考力も、どこにもなかった。翌日はとても綺麗な教会で結婚式だったが、私の全身は手のひらサイズの痣だらけだった。ドレスから出ていた腕の痣だけ、結婚式の写真にも写っていた。結婚式自体はスムーズに進み、無事に終わり、その後の旅行は特にひどい喧嘩はせず満喫できた。後から聞くと、新婚旅行直前に…
小説 『永遠と刹那の交差点に、君はいた。[注目連載ピックアップ]』 【第21回】 津田 卓也 カフェで不倫相手の妻と対峙――「奥さんのいる男と寝て楽しい?」沈黙が落ちた 【前回の記事を読む】電車でぐったりしていた私に声をかけてきたのは、不倫相手の妻だった7カフェは混んでいた。平日の午後にこれだけの人がいるんだ、と今日子は思った。河合紗栄子は昼過ぎだというのにビールを注文した。そう言えば河合から聞いたことがあった。妻はアルコール依存症なんだと。今日子はレモンティーを飲みながら沈黙していた。何を話せばいいのかわからない。紗栄子が煙草に火をつけた。煙をゆっくり吐き出し…