【前回の記事を読む】ウィルスは意思がない。ウィルスは、世界経済を麻痺させた。
妄想
ある日
男は、ウィルスに感染した。
しかし、症状は比較的軽く微熱が数日続き
咳が数日続いた程度で以前の体調に戻った。
男は、風邪だと思い2~3日会社を休んだ後、
職場に復帰した。
特に今回の体調不良に関しては気にしなかった。
男の体内の抵抗により殆どのウィルスは死滅し
体外へ排出された。
しかし、微量のウィルスはまだ体内に存在していた。
この微量のウィルスは男の血管を通り脳に侵入し、
そして、男の脳細胞に寄生した。
この時、世界中で夥しい数の人間がこのウィルスに感染していた。
ウィルスは、男に感染した時と同様に微量ではあるが
各人間の脳に寄生した。
一つ一つのウィルスは、殆ど脅威と成りえないが、
全世界の人々の脳に寄生したウィルスは
莫大な数といえる。
もし、各ウィルス同士が何等かの手段を用いて、繋がり
一つの脳として機能した、とするとどうなるだろう。
その規模は人類の脳容積の何百倍どころではない。
その思考能力は想像を遥かに超えるものとなる。