【前回の記事を読む】オリンポス神ゼウスの浮気…「出産の場所を与えない」妻の嫉妬
ルーツ⇒ヒポクラテスのご先祖は神様でした
太陽神Apollon(アポロン)
Apollon
難産の末に生まれたアポロンは、予言の通り神々の中で最も美しく、どの神の子より秀でていました。アポロンは、最高神の父ゼウスに継ぐ大神であり太陽神です。知性・学問・音楽・医術・弓術・芸術などの守護神です。アポロンの司る仕事は大切なものばかりです。世界の中心に位置するとされるデルフィー(Δ)の神託所の主です。そこでゼウスの意思を伝えました。デルフィーのアポロン神殿は最も権威ある信託を得る場として多くの参拝者を集めていました。名だたる大王たちもここで神のご意向をたずねていました。
世界の中心・Delphi
デルフィー(Δ)は、最高神ゼウスが世界の中心(へそ)と決めた場所です。地平線の両端から放った二羽のワシが出会った場所なのです。かつては冥界の神たちを封じるための神聖な石がシンボルとして置かれていましたが、今では単なる円錐形の石が中心の場所を示す印としてあります。ここデルフィーには、アポロン神殿がありアポロンが神託を下していました。古代の人々にとっては、たいへん神聖な場所でした。
ここでのお告げは、その中でも特別の信頼がありました。難局に直面したときには、一般市民ばかりでなく国王の使者たちまでもが助言を得るためにこの山の斜面の地に通いました。困ったときの神頼み、「デルフィーに行け!」と合言葉のように使われていました。
医神・Asclepios(アスクレピオス)の誕生
Asclepios
アポロンも父ゼウスに負けず劣らず恋多き神様です。ニンフ(テッサリアの領主の娘とも言われる)コロニスの魅力にすっかり取りつかれます。コロニスは妊娠しました。アポロン不在中時の不貞ではと疑われ、なんとしたことか矢が放たれてしまいました。双子の妹アルテミスの矢とも言われますが、コロニスは亡くなってしまいます。帝王切開により開腹すると、胎内には二人いました。その内、一人だけが命を取り留めました。この赤子が、アスクレピオスです!