【前回の記事を読む】部屋で待っているはずの最愛の人が残したメモに動揺「最後なんで言っちゃいます」

第六章 大好きな気持ち

その夜、沙優は自分の部屋で眠ると言い出した。

「南條さん、私、こっちで寝ます」

「そっちの部屋は布団ないし、ベッドで一緒に寝よう、俺と一緒は嫌なのか」

「そんなことないですけど、華菜さんに申し訳なくて……」

「華菜はもう関係ない。新たな結婚相手を見つければいいんだろう、それまで婚約者のカモフラージュ引き受けてくれるんだよな」

「はい」

「それなら婚約者として、振る舞ってほしい、一緒に寝るぞ」

沙優は困った表情を見せた。俺は思い切って沙優の気持ちを確かめた。

「沙優、結婚はしないと言っていたが、俺に対する気持ちは信じていいんだよな」

沙優はどう答えればいいか迷っていた。

「俺の事大好きって気持ちに嘘はないんだろう」

「嘘はないです、ずっと一緒にいたいです」

沙優は目を潤ませて答えた。

「そうか、良かった、安心したよ、俺も沙優とずっと一緒にいたい」

「でも、婚約者のままって訳にはいかないし、南條さんは奥様になる女性を探さないといけませんよね」

俺はこの時、沙優とずっと一緒にいると決心していた。会社も体裁もどうでも良かった、沙優と共に生きて行ければそれで良かったのである。