【前回の記事を読む】死者を生き返らせてしまい、冥界の王に殺された医術の守護神
ルーツ⇒ヒポクラテスのご先祖は神様でした
Asclepiosの杖
祖父ゼウスは、アスクレピオスの天才的とも言える医術を大変惜しみました。アスクレピオスの死後、彼を星座の中の「蛇使い座」にして医術の神としました。蛇が脱皮して若返ることから健康長寿のシンボルと信じられていたからなのか、蛇がアスクレピオスの化身と考えられるようになりました。
蛇についてはいろいろな説があります。死の危険性のある蛇の毒を極少量、治療に用いたからとか、爬虫類の定期的な脱皮が体に溜まったさまざまなトラブルや病気を取り除いて新たな人生のステージに入ることを表している等々です。蛇と杖の組み合わせは、その後も医術と療法の象徴として広く用いられています。
アスクレピオスの子供たちのうち、4人は記録に残っています。Hygie(ヒギュア)は、健康の神=エステティックの女神です。Panacee(パナケイア)は、あらゆる病気を植物で治癒させた女神です。Machaon(マカオン)は、医者です。トロイ戦争(前1260~約10年間)に参戦中に死亡しました。Podalire(ポダリール)も医者です。この人の末裔がヒポクラテスと言われています。子供たちは、「Asclepiades(アスクレピアード)」という医療者組合をコス島やクニドスに作ります。その後この組合は、ギリシアの有力な医師グループとなっていきます。