泣き叫びながらのたうちまわる田所の脇腹や腕に、四角い刃を立て続けに振り下ろす。物置から拝借した手入れの行き届いていない刃は、なかなか致命傷を与えなかった。まさに身から出た錆だ。後どのくらい刻んだら、田所は息絶えるのだろうか。全身朱に染まってもアドレナリンのおかげか、まだ息をしている田所を、雪子は無言で見下ろした。「ううっ! うう……」縋るような目が雪子を見上げた。助けてくれ。そう訴えているのだろ…
小説
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『魂業石』【第11回】内海 七綺
暴力は愉快。このクレーマーを殺す夢想は何度かしたが…今日はなんていい日なのだろう。濁った涙を浮かべる小汚い顔よ(笑)
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『溶けるひと』【第14回】丸橋 賢
驚くほどの分析力を持った歯科医。立ち姿たった一つで息子の身体の小さなずれ、重心、そして神経の働きまでも細かく的中させた。
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『愛は楔に打たれ[人気連載ピックアップ]』【第4回】青石 蓮南
嫁姑問題で母があの時こんなに辛い思いをしていたなんて…。自然に涙が滴り落ちた。さらに父は、外で彼女を作り不倫をしていたとは
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『サイレントエース』【第10回】湯澤 明彦
1死一、三塁となって僕の出番が来た。特に力みはなく、我ながら冷静だった。観客席からは両親の声まで聞こえてきた
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『SHINJUKU DELETE』【最終回】華嶌 華
《10代の少女が死体遺棄の疑いで逮捕。妊娠4~5カ月の赤ちゃんを自宅で流産したのち…》!?…あの子に限ってそんなことあるはずない
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『縁 或る武家のものがたり』【第6回】伊藤 真康
「これより大坂へ出陣する!」鉄砲隊を率いる足軽頭たちが、白石城に続々と集結。揃ったところで、いよいよ総出陣の運びとなった
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『にゃん太郎の冒険物語』【第4回】作間 瓔子
「臭い、臭い」と、僕のおしっこを後始末するママ。だんだん家に居づらくなり、ストレスが増えた。やっぱり外の世界が恋しい
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【最終回】行久 彬
あいつは汚いからと陰口を言われ家もボロいアパートだとの噂が…明らかな虐めだった
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『魂業石』【第10回】内海 七綺
金魚の水槽にCO2添加剤を放り込んだ。やがて金魚の動きは鈍くなり、水面に顔を出した。ぱくぱくぱくぱく、命乞いみたいだ。
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『溶けるひと』【第13回】丸橋 賢
「目を覚ましてよ。そして決めて。私と一緒に死ぬのか、生きるのか」布団に籠る息子を起こすも、一人では何もできず、体は重く死体のよう。
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『ダンテ、ふたたび』【第2回】山下 正浩
【ダンテ「神曲」オマージュ】55歳のおっさんダンテの前に現れたウェルギリウス。「お前を地獄に連れていく」と言われ…
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『愛は楔に打たれ[人気連載ピックアップ]』【第3回】青石 蓮南
父は若い女性と再婚し、子供は二人いると聞き嫉妬心を覚えた。父は一人寂しく自分を待ってくれていた訳ではなかったんだ…
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『SHINJUKU DELETE』【第20回】華嶌 華
「赤ちゃんが欲しい」というのが気持ち悪い。命を「欲しい」だと? そんなに自分の人生をオススメできるのか?
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『逆境』【第2回】NIKO.F
喧嘩やタバコ、シンナーに窃盗などやりたい放題の学生生活。それでも就職するが、上司にオレンジジュースをかけられ転職を決意。
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『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』【第39回】行久 彬
「あんさん、独身やなかったの?」――鳩が豆鉄砲を食らったようにポカンとする再三食事の誘いをしていた妻子持ちの主任
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『魂業石』【第9回】内海 七綺
「私が殺したいのはあなたですよ。心当たりないですか? 当たったら殺すのをやめてもいいですよ」…余興は楽しまなければ。
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『溶けるひと』【第12回】丸橋 賢
寝てはいられない。1年半引きこもっていた息子がついに歯科医へ行くと決断した。閉ざされていた未来への期待に胸が膨らむ。
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『イエスタデイを少しだけ』【第2回】惣才 翼
腹を立てて受話器を伏せてから2日後、彼女から速達が届いた。中には手紙とお札。「初めて会ったのは、小学校五年生の春でした。あの頃は......」
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『愛は楔に打たれ[人気連載ピックアップ]』【第2回】青石 蓮南
父に会いたい…。別れた父を求めて、かつて家族で暮らしていた家へ。十年ぶりに訪れたこの家に父はまだ住んでいるのだろうか…
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『赤い大河』【第10回】塚本 正巳
スリーサイズを聞いた女性からの誘いで、バイト先のカジノバーへ向かう二人。そこは物騒な噂が絶えない区画で、危険な香りが漂い…