突然、奇妙な音があたりに響き渡った。ラウルはぎょっとして音のする方を振り向いた。ベス……!?ラウルは目を疑った。馬上のべスの口が動いていた。それは奇妙な抑揚よくようの、歌のようでもあり、詩を朗読するような音のつながりだった。音はベスの声のようだったが、地面から直接響いてくるような力強い轟音ごうおんにも聞こえた。音はわずか数秒間続き、ふいに止まった。ラウルははっと我に返り、首領の狼を見た。狼もま…
小説
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