桐陽学園の理事でもある箱根の実業家は、国会議員や経営者の子女も多く参加する神奈川フォーラムに渉太郎を推薦したのである。時の森永総理は国民の信頼をすでに失っており、与党内からも倒閣運動が巻き起こるなど、ガバナンスのまったく効かない政権運営を強いられていた。当然のことながら、翌年に実施される参議院選挙の趨勢に暗雲が立ち込めていた。永田町の風を読んで、民自党神奈川県連合会では次期参議院選挙には政治色に…
[連載]ミネルヴァの梟
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小説『ミネルヴァの梟』【第13回】御田 観月
「会社を辞めて、家族をどのようにして養うの」政界進出への第一歩を踏み出そうとした矢先、妻から言われた一言に……
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小説『ミネルヴァの梟』【第12回】御田 観月
解散か総辞職か。首相不信任案の信念を貫くためにも、たったひとり意思表明する構えだったが......
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小説『ミネルヴァの梟』【第11回】御田 観月
妻の本音「いつも神経がピリピリした中での生活は辛かった」―朝早くから夜遅くまで仕事中心。家庭を顧みることにも限界があった
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小説『ミネルヴァの梟』【第10回】御田 観月
このプロジェクトが、なぜつぶれてしまったのか不思議でならなかった。トップの判断に唯一疑問を持った瞬間であった
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小説『ミネルヴァの梟』【第9回】御田 観月
成城に住む音大教授のご自宅で、ある音楽が流れていて「会長と対峙したあの日」を思い出した
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小説『ミネルヴァの梟』【第8回】御田 観月
社員誰もが畏怖の念を抱くカリスマ的存在の会長から予想外の質問をされ…。そしてまさかの人事異動
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小説『ミネルヴァの梟』【第7回】御田 観月
ある日突然の呼び出し。一般社員には生涯縁のない本社人事部に足を踏み入れると…
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小説『ミネルヴァの梟』【第6回】御田 観月
「君は会場に行かなくてよい」怒りをあらわにした上役に取り囲まれ…。
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小説『ミネルヴァの梟』【第5回】御田 観月
社長の前での大失態。そして呼び出し。もしかすると会社をクビになるかもしれない…
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小説『ミネルヴァの梟』【第4回】御田 観月
大臣経験のある議員との密談。密談内容を執拗に聞かれ、とっさに…
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小説『ミネルヴァの梟』【第3回】御田 観月
「会社に迷惑をかけることはしていません」議員からの電話を上司は訝しげに見ていた
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小説『ミネルヴァの梟』【第2回】御田 観月
オフィスに入った一本の電話。国会議員から来た連絡は渉太郎の所属を確認するもので…
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小説『ミネルヴァの梟』【新連載】御田 観月
「いつも心に太陽を持ちなさい」華やかな生活から一変…運命を呪う息子に母の言葉