次の日の朝、篠原は一時も早く伊島に会わなければ、と思った。伊島の手がかりは、伊島という名前だけだったが、そこは何と言っても、全人口二千人ほどの村のことだ。誰に聞いても、わかるはずだった。中でも尋ねるのに一番ふさわしい人を篠原は思い浮かべた。村に一つだけある郵便局の局長の太田だ。太田は河田の幼友達で、河田の合掌で何度も一緒に飲んでいる。郵便局に入ると、「や、篠原君、ようござった(来た)の」太田がす…
[連載]白川郷―聖なるものの村―
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第22回】遊座 はるか
彼は、やはり死んでいた。妻を亡くし、あとを追って死んだというのだ。彼の家に行ってみると、そこには何もなく…
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第21回】遊座 はるか
偶然帰りのバスで出会い取材した陸軍中野学校出身で元戦犯のスパイ。一生に一回の告白だったとわかり急遽白川郷に戻るが…
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第20回】遊座 はるか
白川郷では塩硝造りについてオープンに語られない。それは一体なぜなのだろうか?
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第19回】遊座 はるか
なぜ秘境に豪邸が建つのか…合掌造り、その豪華な建築に隠された家族と村の歴史
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第18回】遊座 はるか
火薬の原料は肥やしと同じ!? 床下の土に蚕の糞、人尿、山草を混ぜると…
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第17回】遊座 はるか
この村で一体何が?とある単語を口にだすと村人は急に怒りはじめ…。
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第16回】遊座 はるか
母が亡くなったと連絡が。朝、私に電話をかけてくれたのに、すぐに切ってしまった…。
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第15回】遊座 はるか
白川郷の無償労働「ユイ」。合掌造りの茅葺き屋根の葺き替えはまさに命がけ!
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第14回】遊座 はるか
年間百五十万人もの観光客が訪れる白川郷。観光地化に伴う問題点とは?
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第13回】遊座 はるか
合掌造りは村の心。白川郷が世界遺産になることを反対していた理由に迫る
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第12回】遊座 はるか
いよいよ白川郷での暮らしがスタート!しかも合掌造りの家に住めるなんて・・・
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第11回】遊座 はるか
連載ネタを前に取材に格闘!よそ者に厳しい村の雰囲気に、記者が決意したコト
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第10回】遊座 はるか
「どれ、わたしが説明しましょう」観光地・白川郷の知られざる過去
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第9回】遊座 はるか
白川郷の人々に話しかけるも、皆無視…「本物の現役の秘境なのだ」
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第8回】遊座 はるか
地元で注目される若手新人版画家に質問「白川郷の凄みって何?」
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第7回】遊座 はるか
美人ママに、各界様々な客層。普通の取材の何倍もの濃い話を聞ける「居酒屋ユキ」
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第6回】遊座 はるか
警察沙汰になった事件の発端を知って…「他人に言えない悩みを抱えているんだよ」
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第5回】遊座 はるか
店主は美しい「雪女」?…吹雪の中で辿り着いた不思議な居酒屋
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第4回】遊座 はるか
てっきり田舎の山奥に左遷だと…先輩記者の激励に若手エリートが驚いたワケ
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小説『白川郷―聖なるものの村―』【第3回】遊座 はるか
驚きの連続!本社勤務のエリート新聞記者が飛騨支局へ転勤!?
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