27階建てのタワーマンションの中層階に私の部屋はある。自分の持ち家に住むことが私の若い頃からの夢であったが、理想の住まいに辿り着くまで何度もマンションを買っては売り、遂に長年欲しかったこの物件を手に入れた。ここからは大阪の街が一望出来る。「あれがハスカス、右側がなにわドーム、ユニオンランドはあの辺」と彼に説明する。今日のために部屋は念入りに掃除した。ラベンダーのアロマを微かに漂わせ、BGMは究極…
[連載]終恋
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小説『終恋』【最終回】高生 椰子
かつての恋人に送ったメール「愛人としての心得をお約束します」
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小説『終恋』【第11回】高生 椰子
「再会してもう一度愛し合っていると思っていたのは私の錯覚だった」
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小説『終恋』【第10回】高生 椰子
「高校生のお前とは違うねん」18歳の冬に迎えた最初の破局
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小説『終恋』【第9回】高生 椰子
【小説】45年の離れていた時間を取り戻すため「最後の恋に走り出した」
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小説『終恋』【第8回】高生 椰子
【小説】うつ状態で体重37kg…その当時に出会った男との記憶
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小説『終恋』【第7回】高生 椰子
【小説】「ゲスでグロなブラックジョークは笑えない。きっと彼は病んでいる」
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小説『終恋』【第6回】高生 椰子
【小説】娘が自死…母の後悔「不倫の果ては悲しい結末しかない」
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小説『終恋』【第5回】高生 椰子
このままでは不倫まっしぐら…未練たらたらな「私」の「怨念」
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小説『終恋』【第4回】高生 椰子
「彼も私も一緒に過ごした日々を覚えていた」45年の空白を経て、胸のときめきが蘇る…
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小説『終恋』【第3回】高生 椰子
元カレを名乗る人物からのメール…差出人を確かめるために送った内容とは
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小説『終恋』【第2回】高生 椰子
【小説】「死ぬ死ぬ詐欺」に騙されて私がバツ2になったワケ
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小説『終恋』【新連載】高生 椰子
61歳、看護師の女性。彼女を戸惑わせたメールの内容は…