終活

娘が8年前に自死した。

娘は2度目の夫となる東野に馴染めず心が壊れていった。何度もリストカットを繰り返し、何度も自殺未遂を図った。最終的にマンションの踊り場から飛び降りた。

それでも命だけは助かった。どんなに後遺症が残ってもいい、植物状態でもいいから家に連れて帰りたかった。入院して5日目に急変し脳死と判定された。それから生命維持装置で14日間、心臓だけは動いていた。娘の身体は徐々に朽ちていった。皮膚は黒ずみ身体中の細胞が腐っていくのを見せつけられた。

地獄だった。娘は私が殺したのも同然だ。私は幸せになる資格などない、昔の思い出に浸って喜んでいる場合ではないはずだ。彼には家庭がある。そんな不倫の果ては悲しい結末しかないだろう。

気になることがある。再会した日に彼は何度も言っていた言葉がある。「終活」というその言葉とその時に見せる暗い表情、彼はこの再会で何をどうしたいのだろうか。

<件名>てつやです

「東野さん」って苗字が変わったら、「ことり」って呼べないのかなぁ。

なーんか、「ことり」はてつやのものって感じだけど、「東野さん」じゃ人妻に手を出している感があるなぁ(笑)。

まぁ、それはそれで新鮮味があるけど。

「終活」にことりが加わった。

身辺整理をしていく中、排除が多いのにこの場で加わるということは一生涯大切な人なのだろう。

45年間、心の片隅にいたという事実があるのだから……。

まずは、5年後を見据えて楽しく毎日を生きて行こう。たまには【2】があってもいいかもね。やっぱり目的は【2】かぁ~(笑)。

<件名>ことりです

呼び方は昔のままの「ことり」がいいです。

でも中身はおばさんになった「ことり」なので、その現実は受け止めてください。

「ことり」は「てつや」のものって、おっしゃっていただき、女冥利につきます。

今死ぬことが出来たら、最高の幸せなのでしょうね。