幹也が答えた社会科の授業が終わり次の授業までの休憩時間だった。「一回ぐらい答えられただけでいい気にならんときや。ボロい服なんか着やがって」クラスメイトの一人が寄って来てそう言いながら頭を小突いた。教師の質問に手を挙げた生徒ではなかったが転校生の幹也を見下した物の言い方だった。幹也がクラスの秩序を乱すという自分たちが下した最初の評価にそぐわない行為をしたことに少しばかり苛立ちと違和感を覚えた結果…
[連載]浜椿の咲く町
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小説『浜椿の咲く町』【最終回】行久 彬
【浜椿の咲く町】転校先で再びいじめ「いい気にならんときや」
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小説『浜椿の咲く町』【第39回】行久 彬
【浜椿の咲く町】転校先の小学校で息子に「ある変化」が…
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小説『浜椿の咲く町』【第38回】行久 彬
【浜椿の咲く町】発覚した息子への虐待。愛しい我が子のため…
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小説『浜椿の咲く町』【第37回】行久 彬
【浜椿の咲く町】大阪での単調な暮らし。ある日一本の電話が…
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小説『浜椿の咲く町』【第36回】行久 彬
【浜椿の咲く町】着の身着のまま大阪へ…見つけた仕事は時給千円のレジ係
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小説『浜椿の咲く町』【第35回】行久 彬
【金曜公開/浜椿の咲く町】転校した幼なじみ…30年後の再会に淡い期待
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小説『浜椿の咲く町』【第34回】行久 彬
【金曜公開/浜椿の咲く町】喧嘩腰の父親に、児童相談所職員が掛けた言葉
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小説『浜椿の咲く町』【第33回】行久 彬
【金曜公開/浜椿の咲く町】近所で噂…「どうしたの?この痣」
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小説『浜椿の咲く町』【第32回】行久 彬
【金曜公開/浜椿の咲く町】女にだらしなかった父の話。美紀は語りだす…
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小説『浜椿の咲く町』【第31回】行久 彬
【金曜公開/浜椿の咲く町】夏祭りの招待席、花火が上がり始めると美紀は…
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小説『浜椿の咲く町』【第30回】行久 彬
【小説】悔しさと情けなさで涙が…どうにか資金調達をするも
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小説『浜椿の咲く町』【第29回】行久 彬
【小説】「花火大会」開催に向け二人で寄付集めに出掛けるも…
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小説『浜椿の咲く町』【第28回】行久 彬
【小説】「夏祭り」開催で浮き立つ港町、しかしある問題が…
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小説『浜椿の咲く町』【第27回】行久 彬
【小説】「やめて!」若いカップルの喧嘩。奈美は手が震え…
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小説『浜椿の咲く町』【第26回】行久 彬
港町での穏やかな生活は、次第に奈美の心の傷を癒していった。
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小説『浜椿の咲く町』【第25回】行久 彬
沙耶の辛い恋愛経験…背中の悲母観音が優しく微笑む。
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小説『浜椿の咲く町』【第24回】行久 彬
入れ墨ぐらい何でもない…沙耶はそう思い込んでしまった。
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小説『浜椿の咲く町』【第23回】行久 彬
紅葉が始まり出した十一月の始め、沙耶はマー君と出会った。
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小説『浜椿の咲く町』【第22回】行久 彬
漁師の意地を掛けても、仕掛けたこの網だけは放すものか
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小説『浜椿の咲く町』【第21回】行久 彬
結婚話を持ち込まれた康代。勝手に進める親に反発を感じ…
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