【前回の記事を読む】「あの娘は並みの娘じゃない。師匠と十年も剣の修行をしている。剣を投げ返されなかっただけでも命拾いをしたな」旅の途中に一度、老剣に尋ねたことがある。老剣は、こう英子に話した。法広に言わせると、『気』はこの世界、自然界の万物の持つ力。山も川も森も獣も。そして人も。全ては、この『気』を持ち、様々な『気』の流れの中で生きている。そして、ただ人だけが、その『気』を意志として発し、受け、…
[連載]大王の密使
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小説『大王の密使』【第10回】都丸 幸泰
「囲まれています…50人ほど」――これから山に入るという時のことだった。こちらの10の兵では戦いきれない。一体どうする!?
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小説『大王の密使』【第9回】都丸 幸泰
「あの娘は並みの娘じゃない。師匠と十年も剣の修行をしている。剣を投げ返されなかっただけでも命拾いをしたな」
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小説『大王の密使』【第8回】都丸 幸泰
「おれは宴には用無しだ。」「ほら、飲んで機嫌を直せ。」 腐る大犬と諭す老剣。英子様と我々では身分違いも甚だしく――
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小説『大王の密使』【第7回】都丸 幸泰
逃げ延びた僅かな残党の一人が、この男である。当時8歳だった彼は、館が炎に包まれて焼け落ちるのをその目で見ていた。
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小説『大王の密使』【第6回】都丸 幸泰
秦の始皇帝の命で不老不死を求めて、仙術を究めた方士である徐福が船出した。しかし、彼は二度と秦や中華の地に帰ることはなかった
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小説『大王の密使』【第5回】都丸 幸泰
十年前、都の焼け跡で、一人さまよっていた孤児が…大きくなったものだ。師に逆らい「いやです。私も行く。先生と一緒に」と…
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小説『大王の密使』【第4回】都丸 幸泰
「不老不死はもちろん、ある。仏法の中に。仏の中に永遠の生はある」
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小説『大王の密使』【第3回】都丸 幸泰
「八百年前の渡来人を捜してほしい。二人と一緒に行ってほしいのだ。」…800年前の人探しに蝦夷へ?皇子様は何をお考えなのだ…
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小説『大王の密使』【第2回】都丸 幸泰
都にて再会するかつての師と弟子 老剣、その懐かしい名前で呼ばれた老子は苦笑し、宮殿へ足を進めた
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小説『大王の密使』【新連載】都丸 幸泰
隋王朝の初代皇帝楊堅 (ようけん)の死後、息子たちによる後継争いの戦いを制した新皇帝。後に煬帝 (ようだい)と諡される皇帝に直接お目見えする機会が与えられて新都大興城の広大な王宮に入る