一郎は自分がうぬぼれていたと、強く思った。「自分にもっと力があったなら自分の目の前で、四人もの人が殺されることはなかったはずだ」と思った。一郎は幼い頃から霊媒体質だった。小学生高学年になってから、その忌まわしい体質は強くなり、動物霊などが突然頭や背中に乗ったり、金縛りにあったりするようになった。霊は見えないし自分に何が起こっているのかなど、子供にわかるはずはなかった。しかし霊が見えないかわりに感…
新着記事一覧
-
小説『除霊堂奇譚』【第6回】吉田 開
「この野郎、ぶん殴ってやる!」霊媒体質の男が“除霊能力”を手にした事件
-
エッセイ『模索の扉』【第9回】ななつまこ
「子どもを授かれない」娘夫婦の告白…母が“あっさり”と受け止めてしまったワケ
-
小説『恋終わりの雨が7の日に降る確率』【第7回】安桜 砂名
胸に膨らみが...目覚めるとそこは授業中で僕は少女になっていた⁉
-
小説『パペットのように』【第8回】楢井 春生
「多分世界一忠誠心に富んだ世にも稀な民族だよ、日本人は」
-
健康・暮らし・子育て『基礎からわかるウイルスの脅威』【第9回】武田 祐治
「ウイルスって、どんな生き物なのですか、それとも無生物なのですか」
-
小説『百合墓荒らし』【第7回】夏緒 冬弦
夏休みの書架整理中に議論「山と海、死ぬとしたらどちらがいいか」
-
評論『Anstaltspsychiatrie病院精神医学症例集 第1巻 司法精神医学・犯罪学』【第3回】石川 文之進
幻覚から父の頸を絞めるなどした32歳男性は「総合失調症」ではなかった...
-
評論『Listen to The Beatles !』【第7回】Kad Lennon
ジョン・レノンの魅力「ポップ・ミュージックをやりながらブラック・ジョークも」
-
エッセイ『徒然な男のブルース オケラの戯言365話』【第5回】石田 五十六
「人生を投げ出す寸前で人を止めたもの、それは何か?」
-
小説『Someday, Somewhere!』【第5回】宙舞 えみり
「命丸ごと、存在していることが素晴らしい」学びつづける我々の命の定め
-
小説『わたしのSP』【最終回】結李花
「顔見知りだったような、どこかなつかしいような」既視感にとらわれて
-
小説『ノスタルジア』【第6回】森下 修作
「過去に逃げ込めず、未来へとはばたけもせず、現在を否定したら後には何が残るのか」
-
健康・暮らし・子育て『たたかうきみのうたⅢ』【第9回】宮本 和俊
トイレが詰まっています…看護師さんの力で「トイレまで便秘になる便秘」解消!
-
小説『再会。またふたたびの……』【第9回】恵 美啓
30年前の渋谷の街を歩くーなんとなく、いまではない違和感を重ねて
-
小説『湘南ラブストーリー 瑠璃色の朝焼け』【第3回】小林 正吾
【小説】砂浜で見かけたミステリアスな美青年に、ツレの女性は…
-
小説『天空橋を渡って』【第8回】松井 左千彦
「どんなことがあっても、八月九日午前十一時半に、ここに来ます」
-
評論『怪物退治の夏』【第7回】畑山 公希
27年に及ぶチーム作り…斎藤監督による「黒潮打線」の強みに迫る
-
評論『求道』【第7回】井上 敬康
癌と戦う恩師の言葉に感銘「自分を救うのは自分しかない」
-
小説『私たちに、朝はない。』【最終回】はしばみ じゅん
「もうちょっと飲まないか?」彼が珍しく二軒目に誘ってきたワケ
-
小説『カシマレイコの噂』【第3回】白崎 秀仁
1ヶ月で行方不明者が何人も…囁かれる都市伝説との関連とは