鎧窓から外を眺めていた少年の目は、広場に集まった大人たちを通り越してその先に向けられた。緩やかに傾斜した道が広場の先に続いていた。少年の目はここからでは道の入口しか捉(とら)えられなかったが、彼は頭の中でその先を辿る。道なりに傾斜を下っていくとそこに大きな岩が唐突に現れて道を塞いだ。彼の背丈の何十倍かにも及ぶ岩、岩、岩。東の山脈に対面する村の西側には、ギガロッシュと呼ばれる暗鬱(あんうつ)とした…
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小説『ヴァネッサの伝言』【新連載】中條 てい
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