【前回の記事を読む】投資デビューをしたい孫娘「株で成功する秘訣があったら教えて!」

第1章 株はなぜ上がるのか?

ミノル:これから爺の考案した『チーム投資方式』という投資手法を紹介するにあたって、まず“株はなぜ上がるか?”ということをざっと考えてみよう

クミ:えー! 株って上がったり下がったりするのはニュースを見て知っているけど、株がなぜ上がるかなんて考えたこともなかったわ

ミノル:では、まず株はどういうものかという話から始めようか。株はいつ、どのようにして始まったか知っているかい?

マサノブ:株の歴史ですか? 面白そうですね

ミノル:株の始まりは、17世紀の初めの大航海時代にあるといわれているんじゃ。共同出資会社である“オランダ東インド会社”が株を発行して、航海のための資金源にしていたといわれているんじゃ。そこで継続的に得た利益を配当することで、投資者にとってもリスクを減らすことができたんだよ。

クミ:でもどうして、株にすると投資者のリスクが減るの?

ミノル:『パイレーツ・オブ・カリビアン』という映画を見たことがあるかい?

マサノブ:大好きな映画です。確か同じ大航海時代の話ですね

ミノル:そうじゃ。あの映画を思い出してもらうとわかりやすいのだが、オランダ東インド会社ができた大航海時代には、ヨーロッパの国々が東南アジアの香辛料や織物などを求めて、競って船を出していたのじゃ。しかし難破したり、海賊に襲われたりと当時の航海は大変危険を伴うものだった。せっかく、大金を出してもその船が帰って来なければ、利益もないし保証もなかったのじゃ

クミ:せっかく、大金を出して船を送り出したのに、海賊に襲われて帰って来なかったら、投資者は大損よね。そんなリスク私は怖くて嫌だわ

ミノル:誰だって大損するのは怖い。そこで株式にして投資者を沢山募ったのじゃ

例えば、4回の航海のうち1回失敗しても、残りの3回で得た利益を投資者に分配することができる。一か八かの運にかけるよりも安心して出資することができるようになったのじゃ。株式会社にすることによって、会社は資金を集めやすくなり、投資家はリスクを減らすことができるということなんじゃよ

クミ:なるほど、それが株式会社の始まりなのね。株の始まりが大航海時代に遡るなんてロマンを感じるわね